読書だより:第15回『みたてのくみたて 見るだけでひらめくアイデアの本』

週の始まりに、絵本や漫画、創作に関する書籍などを中心に、楽しく読める1冊をご紹介する本連載。お昼休憩や帰宅後の時間のお供に、はたまたお子さまへの読み聞かせに……。気になる本に出会ったら、ぜひ手に取ってみてください。

今回ご紹介するのは『みたてのくみたて 見るだけでひらめくアイデアの本』(ダイヤモンド社)です。

 


『みたてのくみたて 見るだけでひらめくアイデアの本』

田中達也 著(ダイヤモンド社)

1,900円+税 装丁:吉田憲司(TSUMASAKI)

約5000日もの間欠かさず作品を発表してきたミニチュア写真家・見立て作家の田中達也さん。田中さんの元へ世界中のファンから寄せられる「どうして、アイデアが尽きないのですか?」という質問への回答として、発想の秘訣を余すことなく伝えるアイデアブックが完成しました。

アイデアを生み出す考え方や習慣を解説すると同時に、そのアイデアを基に制作した作品が紹介されるほか、実際に田中さんが作業をしているアトリエや制作に欠かせない食品サンプル、10万体以上あるという人形たちの収納スペースなど作業環境もたっぷりと掲載され、クリエイティブに携わる人にきっと役立つ1冊です。

日用品や食品サンプルなど、生活に身近なモチーフでユーモアたっぷりの「見立て」作品を制作するミニチュア写真家・見立て作家の田中達也さん。同書は、毎日新たな作品を発表する田中さんの“発想のコツ”をぎゅっとまとめた1冊です。

“私がこの本で伝えたいのは、なんとなくの感覚に頼らず、アイデアを論理的に導くための方法です”と前書きにあるように、色、形、素材やスケールなど、さまざまな角度からモチーフとアイデアをつなげる発想のコツが語られます。制作スケジュールやインプットについて、作品を発表し続ける上で大切な心がけやルーティンについても言及され、読む人に多くのヒントを与えてくれるはずです。

心躍る作品世界はどのような土台の上に出来ているのか? 収録されている田中さんの作品も楽しみながらアイデアの源流に思いを馳せると、身の回りの当たり前の風景がいつもとは違って見えてくるかもしれません。

▶︎『みたてのくみたて 見るだけでひらめくアイデアの本』


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