読書だより:第14号『動物園の24時間』

週の始まりに、絵本や漫画、創作に関する書籍などを中心に、楽しく読める1冊をご紹介する本連載。お昼休憩や帰宅後の時間のお供に、はたまたお子さまへの読み聞かせに……。気になる本に出会ったら、ぜひ手に取ってみてください。

今回ご紹介するのはイギリス発のコミック絵本『動物園の24時間』(小学館)です。

 


『動物園の24時間』

ラン・クック 作 ステイシー・トーマス 絵 竹内薫 訳+監修(小学館)

1,600円+税 装丁:城所潤+舘林三恵(JUN KIDOKORO DESIGN)

動物のフンで発電? カエルにも「なまり」がある? 怪我の治療に3Dプリントを活用する? 動物園のお仕事って、一体どんなことをするのでしょうか?

動物たちの保護・繁殖プログラムに力を入れ、絶滅寸前の種の保存にもあらゆる働きかけを行うイギリス・チェスター動物園の監修により生まれた同作は、飼育員たちの忙しない1日の仕事を60P超えのボリュームで描いたコミック絵本です。

世界中の多くの人に馴染み深い動物園。エサやりや掃除など誰もが知る仕事のほかに、飼育員のお仕事にはどんなものがあるのでしょうか? 主人公・タイカと一緒に動物園で働く人々の24時間を見学してみましょう。

作中では、野生の住環境に近付けるための工夫や飼育員総出で行う巨大ヘビの健康診断といった日々のお世話の解説をはじめ、動物のフンから電力を賄う「うんち発電所」や3Dプリントを活用した人工装具の開発、そして気候変動に対応するためのハイブリッドサンゴの育成など、最新技術の活用も紹介されます。

動物たちのお世話だけでなく、迷子のカエル探しや展示動物のお引越しなど、飼育員の仕事は盛りだくさん。園内を巡り、さまざまな動物たちの習性も学びながら動物園の「バックヤード」をコミックで体験出来る、楽しい自然科学絵本です。

▶︎『動物園の24時間』


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