月曜日、新たな1週間が始まりました。
週の始まりに、絵本や漫画、創作に関する書籍などを中心に楽しく読める本をご紹介する連載「イラストレーション編集部 読書だより」をスタートします。お昼休憩や週末の時間のお供に、はたまたお子さまへの読み聞かせに……。気になる本に出会ったら、ぜひ手に取ってみてください。
第1回でご紹介するのは、イラストレーター・北澤平祐さん作の絵本『ひげがながすぎるねこ』(講談社)です。今回、北澤さんにはコメントを書き下ろしていただきました。
『ひげがながすぎるねこ』
北澤平祐 作(講談社)
1,600円+税 装丁+D:中嶋香織
ひげが長すぎるねこの「みゃあ」の毎日はとっても大変。長すぎるひげを踏んづけられたり、ラーメンと間違えて啜られたり、ギターの弦にして演奏されたり……毎日てんやわんやの踏んだり蹴ったり。
「ひげが ながすぎるって たいへんな ことなんだ。
いい ことなんて なにひとつ ない。
まいにち ほんと いやなこと ばかりだよ。」
そんなある日、けんかになった白猫の猫パンチでみゃあのひげがぱっちんと切れちゃった! 「ひげがふつうすぎるねこ」になったみゃあはおおよろこびだったけれど……。
鮮やかな緑の表紙が目を惹く、チャーミングな猫の絵がかわいらしい絵本。絵本作りに積極的に取り組まれているイラストレーター・北澤平祐さんの最新作です。ご機嫌斜めな「みゃあ」の語りと少ない色数でリズミカルに描かれる物語は、読み聞かせにピッタリなのはもちろんのこと、大人が読んでも楽しく、どんどんページをめくっていきたくなる魅力に溢れています。
誰しもが共に生きていかなければならない「個性」。好きになれないことももちろんあるけれど、全部ひっくるめて自分なのだと思うと、私の生きる世界も「ちょっといい」で彩られていくのかも……。みゃあを見ていると、そんな気がしてきます。
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北澤平祐さんからのコメント
やたらと長いヒゲを持つハチワレねこを飼っていました。さすがにこの絵本の主人公、みゃあほどの長さはありませんでしたが、立派なヒゲをちょっとでもいじると不満気な顔でにゃあにゃあと抗議してきたものです。
残念ながら彼が正確に何を言っていたのかは分からずじまいですが、もしかしたらこんなことをぼやいていたのかなあと想像しながら今回のお話を書きました。ホワンホワン、その節はながすぎるひげををからかったりしてごめんね。
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