「描ければ一人前」と言われているほど、イラストレーションを描く人にとって難しいパーツ。それが「手」です。手は、指の1本1本がバラバラに動き、情報量が多く、3次元的な動き方をします。そのため、描き慣れるまでが非常に難しいパーツです。
本記事では、4月に刊行したばかりの書籍『うつくしい手の描き方』(玄光社)から一部を抜粋し、マンガ的に「魅せる」ことに特化したうつくしい手の描き方を紹介します。
第1回のテーマは「手の種類」です。
(全3回・連載のまとめはこちらから)
描きたい手を見つけよう
どんな手が描きたいかを決める
「うつくしい手を描きたい」と思ったら、まず「どんな手を描きたいかを考えること」が大切です。
リアルな手なのか? 中性的な手なのか? 女性的な手なのか? 男性的な手なのか?
手は個人差がとても大きい部位です。どんな手を描きたいかによって、指の長さや描き込みの量などが変化します。まずは描きたい手のタイプを確認してみましょう。
例えばがっしりした手を描きたい時は手のバランスをリアル寄りにし、描き込みも多くします。一方でシルエットの細い手を描く場合は、デフォルメ(意図的な変形)が強くなります。それと共に細部のシワや関節を意図的に省略する場合もあります。
基礎的なデッサンを学ぶことはもちろん大切です。でも、“どんな手を描きたいか?” “どんなものが楽しいか?” はもっと大切です。まずは最初に、自分の「好き」を発見してみましょう。
手の種類 様々な手とその描き方
中性的な手
関節や手の甲の表現を要所に入れましょう。しなやかながらリアリティのある整った手になります。
男性的な手
男性的な手を描く時は、関節の突起や手の甲の筋をはっきりさせます。これで男性らしいごつくて力強い手を表現できます。
女性的な手
女性的な手の場合は関節や筋を極力少なくして描写しましょう。そうすることで丸みを帯びた柔らかい印象になります。
『うつくしい手の描き方』(玄光社)
難しい手を描くための第1歩として使える、初心者向け「なぞり描き」練習ドリル。なぞり描きを、「アタリ」「細部アタリ」「清書」の3段階に分け、手の形の成り立ちを確認しながら練習出来ます。
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