40年以上にわたり、イラストレーターの登竜門として『イラストレーション』で開催されているコンペティション「ザ・チョイス」。毎号異なる1人の審査員が、応募作品の中から優秀作品をチョイスすることが特徴です。年4回の全入選作品は年度賞のノミネート作品となり、年度賞の審査は4人の審査員が一堂に会して、投票制で行われます。これまでに数多くのイラストレーターがザ・チョイスから巣立っています。
ザ・チョイスに入選された方々に、応募してみて感じたことや、入選後についてお聞きするインタビュー連載・第2弾がスタートします。第1回目に登場するのは、第224回(角張渉さんの審査)で入選し、『キャラクターファイル 2024-25』(玄光社)の表紙イラストレーションを担当したアサバマリエさんです。
(連載のまとめはこちらから)
アサバマリエ

富山県富山市出身、神奈川県横浜市在住。多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業。繊細な表現と大胆な構図で子どもや動植物などを描く。
https://portlab.net/marieasaba
Instagram@marieasaba_illustrator
X(Twitter)@marieasaba
Q1
ザ・チョイスに応募したきっかけを教えてください。
自分の力を試したいと思い公募を調べていたところ、過去の受賞作や審査員が魅力的な「ザ・チョイス」を見つけ、応募しました。
Q2
ほかのコンペと感じる違いはありますか?
年に4回応募のチャンスがあり、毎号異なる1人の審査員が審査をすることです。
審査員の方の職業や経験、好みにより、あらゆる作風に選ばれるチャンスがある、そして短いスパンでコンペに挑戦できるということが大きな特徴だと思います。
Q3
ザ・チョイスに入選して変わったことはありますか?
私は角張渉さんに選んでいただいたのですが、入選作はとにかく楽しんで描いた気持ちが伝わったと感じました。
そのときの絵柄(構図)はいまの作風と少し違うのですが、好きなものを楽しんで描くという気持ちは「ザ・チョイス」入選以降ずっと大切にしていますし、なにか迷ったり不安になった時も「好きなこと・楽しむこと」の軸を思い出すようにしています。
Q4
ザ・チョイスからつながったお仕事、もしくは最近の印象に残っているお仕事を教えてください。


「ザ・チョイス」から直接つながったお仕事ではありませんが、『枕草子(酒井順子 訳/河出文庫)』と『よむよむかたる(朝倉かすみ 著/文藝春秋)』は、私にとって印象に残るお仕事でした。
私の描く後ろ姿のルーツは「百人一首」のお姫様の絵札にあるので、『枕草子』はそのルーツを思い出させてくれたお仕事でした。
『よむよむかたる』は、直木賞候補に選ばれた、とてもメモリアルな作品で、物語も本当に魅力的です。
どちらも「表紙を見て購入を決めた」と言ってくださる方がいて、私の絵が微力ながらこれらの素晴らしい作品に貢献できているという幸せを感じるお仕事です。
Q5
これからザ・チョイスに応募したい人へのアドバイスをお願いします。
「ザ・チョイス」は年に4回チャレンジできるので、(非常にシンプルなアドバイスになってしまいますが)まずは楽しんで描いて挑戦してみてほしいと思います!
毎号、審査員の方の職種や世代も異なるので、自分の絵の構図やモチーフなどを色々試してみたり、もしくは同じ内容をいろんな審査員の方に見てもらうなど、失敗を恐れずとにかくチャレンジしていくうちに自分の「好き」や「楽しい」が見つけられるといいのかなと思います。
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ザ・チョイス
次回の審査員:げみさん(イラストレーター)
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