
「マッスルクロッキー会」を知っているだろうか。ボディビルダーをモデルに描く、少しユニークなクロッキー会だ。主宰するのはイラストレーターの堀川友里さん。人体の構造をより深く勉強し始めた時、「彫刻のような筋肉質なモデルを描きたい」と思ったことが開催のきっかけとなったそう。いまでは大会シーズン(8〜10月)を除いて月に1度開催している。今回は、イラストレーション編集部が参加した第16回マッスルクロッキー会の様子をレポートする。

会場は横浜市民ギャラリーの会議室。JR・横浜市営地下鉄「桜木町駅」から徒歩10分の場所にある。イーゼルは無料で貸し出されており、スケッチブックと画材を持参すれば誰でも参加可能。またデジタル機器の使用もOKで、iPadなどのタブレットを使う人も見られた。セッティングが整ったところで、いよいよ今回のモデルが登場。

この日、モデルを務めたのは藤原仁香さん。全国大会での入賞の経験も持つ方で、その鍛え上げられた筋肉に圧倒される。マッスルクロッキー会では、モデルがボディビル・フィットネスの競技用のコスチュームを着てポージングを披露する。モデルは回ごとに変わり、男性が登場することも。
今回のタイムテーブルは下記のとおり。約125分間でポーズや時間を変えながらクロッキーを行っていっく。
- 5分マッスルウォッチングタイム×1回
- 10分マッスルリクエストタイム×1回
(5分休憩) - 20分クロッキー×1回
(5分休憩) - 10分クロッキー×2回
(10分休憩)
(5分写真撮影) - 5分クロッキー×1回
(5分休憩) - 2分30秒クロッキー×4回
- 1分規定ポーズ×3回
- 1分規定ポーズ×3回
※「規定ポーズ」とは、実際の大会で行われている動きのあるポーズ。

まずは参加者がモデルを観察する「ウォッチングタイム」がスタート。藤原さんがさまざまなポーズを取る様子を観察し、筋肉や骨格を捉える。続いて「マッスルリクエストタイム」では、参加者がポーズをリクエスト。自分が苦手とするポーズをリクエストできる貴重な時間となった。

ウォッチングを終えたらいよいよクロッキーのスタート。最初の制限時間は20分。形を捉えながら陰影まで描くとなるとあっという間だった。その後、休憩を挟むたびに10分、5分と時間が短くなり、鉛筆を走らせるスピードが上がっていく。次第に集中力も研ぎ澄まされていった。
最後に2分30秒の短いクロッキー、動いている状態「ムービング」、実際にボディビルの大会でも行われる「規定ポーズ」を描き、会は終了。

便利な現代では、書籍や動画、アプリなど人物クロッキーを練習するためのツールはたくさんある。しかし実際にモデルを前に描いてみると、より人体の動きや構造への理解が深まることを体感した。
堀川さんの会に集まるのは、美術系の学校に通う学生、イラストレーター、趣味で絵を描く人などさまざま。初心者から経験者まで、誰でも参加することができる。興味のある方はぜひチェックしてみてほしい。
第18回マッスルクロッキー会横浜
開催日時:2025年12月13日(土) 10時30分〜12時35分
会場:横浜市民ギャラリー 4階 アトリエ
※参加費などの詳細は公式Xもしくはホームページにて随時更新予定。







