ジャン・ジュリアン 個展「PURPLE PONY」インタビュー

 

『イラストレーション』No.247に登場したジャン・ジュリアンさんの個展「PURPLE PONY」が、PARCO MUSEUM TOKYOで開催されている。本展では、ジュリアンさんが日常生活で惹かれたものを「現実と虚構の境界を曖昧にしながら」描いた新作17点を展示。また、壁面のドローイングやインスタレーションなど、観客が楽しめる仕掛けもたくさん。東京に暮らしてもうすぐ1年だという彼は、この街で何を感じとったのだろう。本展に込めた思いとともに振り返ってもらった。

 

──今回の個展「PURPLE PONY」のテーマを教えてください。

今回の展示は、僕が東京で過ごした1年を物語としてまとめたものです。東京では、日常の中に自然とフィクションが入り込んでいて、その影響で自分の作品も少しずつ変化しました。フィクションを象徴する存在として、現実にはいない「PURPLE PONY」を描いたんです。見る人が「これは実在するの?」と迷うようなモチーフを作りました。

──前回のPARCOでの個展から4年が経ちました。作品にはどんな変化がありましたか?

4年前は複数の会場を使って1つの物語を見せる展示方法をとっていました。でもその後展示を重ねる中で、ひとつの空間の中でも自然に物語として読めるような展示を作れるようになったと思います。

また、以前は実際に見た情景や風景を描くことが多かったのですが、東京に暮らしてみて変わりました。この街では看板や広告の中にファンタジーやキャラクターが自然に存在していて、現実とフィクションの要素が混ざっています。その風景を描くうちに僕の作品の中にも現実とフィクションが共存するようになったんです。描いていく中でさらに発展し、目にした風景と自分の想像した世界が、1枚の中に同じように存在するようになりました。

ジャン・ジュリアン「6」
アクリルガッシュ、キャンバス
H46 x W61 x D2 cm (excl. frame) H47.7 x W62.9 x D3.2 cm (incl. frame)
@Jean Jullien. Courtesy of NANZUKA

@Jean Jullien. Courtesy of NANZUKA

──日本で暮らす中で印象的だった体験はありますか。

「静けさ」と「刺激」が共存しているところかな。とても静かに過ごすこともできるし、刺激がほしければ自分から「カオス」のある場所に行ける。自分のペースで静と動を選べるのは、生活、制作両方においてとても新鮮でした。

 

──今回の展示作品はどのようなプロセスで制作したのでしょうか?

まず大まかなパースを描くところから始めます。それから、実際に見たものを忠実にキャンバスに再現するわけではなく、モチーフを引いたり足したりして、自分がその場所に抱いた印象に合わせて調整していきます。写真のように再現することを目指すのではなく、その場所に対する自分の反応や記憶を再構成するイメージです。最終的には「自分にとって心地よい絵」になるように構成を決めていきます。

@Jean Jullien. Courtesy of NANZUKA

──最後に、若い描き手に向けてメッセージをお願いします。

描くということにもっと自由に取り組んで欲しいです。「イラストレーション」「ドローイング」といったジャンルや呼び方の枠に縛られず、自分が心地よい方法で表現する。それが一番大事だと思います。

@Jean Jullien. Courtesy of NANZUKA

 

 


Jean Jullien Exhibition「PURPLE PONY」

会期: 2025年11月14日(金)~12月1日(月) *会期中無休

会場: 渋谷PARCO 4F PARCO MUSEUM TOKYO

住所: 東京都渋谷区宇田川町15−1 渋谷パルコ 4F(Google  map

時間: 11:00〜21:00 

*最終日18:00まで

*入場は閉場の30分前まで

 


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