レオ・レオーニの活動の全貌に迫る展覧会「レオ・レオーニと仲間たち」が東京・板橋区立美術館で開催される。会期は2024年11月9日(土)から2025年1月13日(月・祝)まで。
小さなさかなのお話『スイミー』、青と黄の抽象的な形がストーリーを織りなす物語『あおくんときいろちゃん』などのベストセラーで知られるレオ・レオーニ。絵本作家として数ある名作を手がけるまでには、アートディレクターとしての活動や、同時代で活躍したアーティストや文化人との交流がある。本展は、レオーニの生い立ちやその活動を全5章に分け紹介するものだ。
レオーニは1910年にオランダで生まれ、幼少期から豊かなヨーロッパ文化を享受して成長した。第1章では、レオーニの少年時代を、当時の思い出や写真とともに紹介。第2章では、青年期のイタリアでアーティストたちとの交流を、作品や同時代の印刷物などから紐解く。
1939年に渡米しアメリカ屈指のアートディレクターになっていく一方で、絵画制作にも注力し1947年には初の個展を開催する。そして1959年、レオーニは初の絵本となる『あおちゃんときいろちゃん』を出版した。第3章では、アメリカでのアートディレクターとしての仕事をベン・シャーン、ムナーリ、スタインバーグ、カルダーらとの交流の軌跡とともに紹介するほか、1940 年代後半からの油彩画もあわせて展示する。
1961年、アーティストとしての活動に集中するためイタリアに戻り、アメリカ時代から続く「想像肖像」シリーズや「プロフィール」シリーズ、「平行植物」シリーズ、「黒いテーブル」シリーズなど、さまざまなテーマに意欲的に取り組んだ。第4章では、イタリアに移住してから制作された作品を紹介。ブロンズ彫刻《プロジェクト:幻想の庭》や最後の作品となった「鳥」シリーズなど、見ごたえのある作品をが並ぶ。
1959年に初めての絵本を出版してから、自分自身の物語を絵で表現できる絵本との出会いにより、レオーニは作り手として新たなスタートを切ることとなる。ほぼ1年に1冊のペースで制作を続け、絵と文章を共に手がけた物語絵本は27冊にのぼった。第5章では、30年以上におよぶレオーニの絵本づくりの軌跡を振り返る。そこにはデザイナーやアーティストとしての活動の積み重ねも映し出されている。また、レオーニの多彩な技法や描き方が見られる絵本原画の一部も紹介する。
これまで同館は1996年の日本初のレオ・レオーニ展以降親族との交流を重ね、長年にわたる調査研究をとおしてレオーニの活動の全貌を明らかにしてきた。本展は、20世紀の文化史の大きな流れの中からレオーニの活動を検証した貴重なアーカイブだ。まだ知らないレオーニの魅力を知ることができる特別な機会に、ぜひ足を運んでみてほしい。
〈プロフィール〉
レオ・レオーニ/アムステルダムで生まれ、幼い時からヨーロッパ各地とアメリカを転々としながら育つ。1930年代半ばよりミラノでグラフィックデザインの仕事を始めるが、イタリアで差別的な人種法が制定されたことをきっかけに、1939 年に渡米。ニューヨークを中心に、オリヴェッティ社やMoMAの広告、ビジネス誌『フォーチュン』のアートディレクションなどを手掛けて成功した。1959年に初の絵本『あおくんときいろちゃん』を出版してからは徐々に広告の仕事から退く。以後、年に1冊の絵本を出版しながら、油彩画、彫刻、版画などの制作に没頭する。イタリアのトスカーナにアトリエを持ち、ニューヨークとイタリアを行き来する生活を30年以上続けた。
【レオ・レオーニと仲間たち Leo Lionni and his Circle of Friends】
会期:2024年11月9日(土)~2025年1月13日(月・祝)
休館日:月曜日、12月29日~1月3日(但し、1月13日(月曜日・祝日)は開館)
開館時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
入場料:一般650円、高校・大学生450円、小・中学生200円
*土曜日は小中高校生は無料で観覧できます
*65歳以上・障がい者割引あり(要証明書)
*当館でのお支払いは、現金のみです(ミュージアムショップ含む)。
会場:板橋区立美術館
〒175-0092 東京都板橋区赤塚5-34-27
TEL:03-3979-3251
公式ウェブサイト:https://www.city.itabashi.tokyo.jp/artmuseum/4000016/4001836/4001852.html
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