「谷内こうた展 風のゆくえ」
日本人として初めてボローニャ国際児童書展でグラフィック賞を受賞し、絵本以外のさまざまな媒体でも活躍した画家・谷内こうたさん初の回顧展「谷内こうた展 風のゆくえ」と、いわさきちひろさんの描くあかちゃんや子どもの絵を集めた企画展「ちひろ 子ども百景」が、東京・下石神井のちひろ美術館・東京で開催される。会期は2023年6月24日(土)~10月1日(日)。
谷内こうたさんは神奈川県に生まれ、多摩美術大学油絵学科に進学すると、叔父のすすめで絵本の絵を描きはじめ、3冊目の絵本『なつのあさ』で日本人として初めてボローニャ国際児童図書展でグラフィック賞を受賞、鮮烈なデビューを果たした。
削ぎ落とされた大胆な絵と詩のような言葉で展開される絵本はヨーロッパや日本で驚きをもって迎えられ、その鮮やかな色合いで描き出される空気や光は、多くの人をいまなお魅了している。
ドイツやフランスの自然や街並みを愛した谷内さんは35歳の時に家族と共にフランス・ノルマンディーに移住。その後もアトリエを構えて数多くの油彩画を描いた。
同展では、受賞作をはじめとした世界中で広く愛される絵本原画のほか、初めてドイツに滞在した際に描かれた初期の油彩画、雑誌の表紙絵やタブローなど、初公開作品も含めた初期から晩年までの幅広い作品が写真や資料と共に展示され、谷内さんの画業全体を知ることの出来る貴重な機会となっている。
ちひろ 子ども百景
同時開催される「ちひろ 子ども百景」では、いわさきちひろさんの描くあかちゃんや子どもたちの絵を展示。
いわさきさんの息子やその友だちをモデルにしたスケッチや、季節のなかで遊ぶ子どもたちを描いた作品のほか、『私は赤ちゃん』『育児の百科』など、医師・松田道雄さんによる育児書のために描かれたあかちゃんや幼い子どもの絵も多数公開される。
寝返り、おしゃぶり、ハイハイ、つかまり立ち……あかちゃんや幼い子どものカットが大集合し、10カ月と1歳の月齢を描き分けることができたといういわさきさんの描く愛らしい子どもたちの魅力を存分に味わうことが出来る。
また、期間中には両展でギャラリートークや講演会、鼎談など、それぞれの世界観をより深く楽しめるイベントが複数開催予定。
暑い夏、谷内さんの描く清々しい風景画と、いわさきさんの描く愛らしい子どもたちに癒されに、会場へ足を運んでみてはいかがだろうか。
【同時開催「谷内こうた展 風のゆくえ」「ちひろ 子ども百景」】
会場:ちひろ美術館・東京
〒177-0042 東京都練馬区下石神井4-7-2
TEL:03-3995-0612
会期:2023年6月24日(土)~2023年10月1日(日)
会館時間:10:00〜17:00 (入場は16:30まで)
休館日:月曜日(ただし祝休日は開館、翌平日閉館)
入場料:大人1,000円、高校生以下無料