「空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン」展が、東京ステーションギャラリーで開幕!

20世紀後半のベルギーを代表するアーティストであるジャン=ミッシェル・フォロンの作品を紹介する「空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン」展が、東京ステーションギャラリーで開幕した。会期は9月23日(月・振)まで。

同展はフォロンの初期のドローイングから晩年の立体作品に至るまで約230点を展示する、日本では30年ぶりの大回顧展となる。

《無題》フォロン財団 ©Fondation Folon, ADAGP/PARIS, 2024-202

ジャン=ミッシェル・フォロンは、20世紀後半のベルギーを代表するアーティストの1人。若き日に偶然出会ったマグリットの壁画に感銘を受けて絵画世界に惹き付けられ、1955年に移住したパリ近郊ではひたすらドローイングを描く日々を送っていたが、『エスクァイア』『ザ・ニューヨーカー』『タイム』などのアメリカの有力誌で注目され、1960年代初頭にはそれらの表紙を飾るようになる。

その後、各国の美術館での個展の開催など目覚ましい活躍を見せ世界中で高い評価を得たフォロンの活動は、版画や水彩画、ポスター、文学作品の挿絵や舞台美術など多岐にわたった。

《無題》1968年頃、フォロン財団 ©Fondation Folon, ADAGP/PARIS, 2024-2025
《Lettera 32 すべての人にオリベッティを》1967年、フォロン財団 ©Fondation Folon, ADAGP/PARIS, 2024-2025

同展ではフォロンの初期のドローイングから水彩画、版画、ポスター、そして晩年の立体作品までを含めた約230点を紹介する。色彩豊かで幻想的な詩情あふれる作品たちは一見すると美しく爽やかに感じられるが、そこには環境破壊や人権問題など、厳しい現実への告発が潜んでいる。後年手がけた彫刻作品にも孤独や不安といった、それまでのグラフィック作品に通底するメッセージを読み取ることが出来るだろう。

展覧会は5つの章で構成される。デジタル化やパンデミック、戦争など、社会的に大きな曲がり角にある現代、環境や自由への高い意識をもち、抑圧や暴力、差別などに静かな抗議を続けてきたフォロンの芸術を、いま、改めて見直したい。

《月世界旅行》1981年、フォロン財団 ©Fondation Folon, ADAGP/PARIS, 2024-2025

【「空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン」展】

会期:2024年7月13日(土)~2024年9月23日(月)

開館時間:10:00~18:00(金曜日は10:00~20:00) ※入館は閉館30分前まで

休館日:月曜日(ただし7月15日、8 月12日、9 月16日、9 月23日は開館)、7 月16 日(火)

入場料:一般1,500円、高校・大学生1,300円、中学生以下無料

会場:東京ステーションギャラリー

住所:〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-9-1 JR東京駅丸の内北口改札前

ウェブサイト

※2025年には名古屋、大阪を巡回予定。

 


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