イラストレーションの世界に大きな足跡を残した和田誠さん。『イラストレーション』No.226では特集「和田誠」として、代表的な作品や親交のあった方々からの寄稿をとおして、多岐にわたる和田さんの仕事を振り返りました。
本記事ではその特集のなかから、親交のあったイラストレーターが和田さんに向けて描いたオマージュ作品を1点ずつご紹介します。それぞれの作品にこめられた和田さんへの想いとは……? 第5回は矢吹申彦さんの作品です。
(連載のまとめはこちらから)
矢吹申彦さんから和田誠さんへのオマージュイラストレーション
1974年、我が家の新築祝いに欲しいものを尋ねられ、サッチモが欲しいとねだり、「ルイ・アームストロング」を戴く。この絵はサッチモの死を悼み、その夜に描いたとか。後にグラフィック・デザイン誌の表紙を飾った。2年後、麻布の青画廊で、私も参加した「肖像画展」が催され、和田さんは「リックス・カフェ・アメリカンのオーナー像」を出品。(おそらく)和田さんは初めて絵を販売した? 結果、今日、我が家の居間にはこの二人が並んで居る。
<プロフィール>
矢吹申彦/1944年生まれ。1965年桑沢デザイン研究所入学。1967年よりフリーのデザイナーになる。1969年から1976年まで『ニューミュージック・マガジン』のADと表紙絵を担当。現在はイラストレーションのほかに、装丁、文章並びに画文の連載を担当。作品集『矢吹申彦風景図鑑』(美術出版社)のほか、著書多数。
本記事は『イラストレーション』No.226の内容を本Webサイト用に調整・再録したものです。記載している内容は出版当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承下さい。
『イラストレーション』No.226では、2019年10月に逝去されたイラストレーター・グラフィックデザイナー和田誠さんを80ページにわたって特集しています。代表的な仕事の紹介はもちろん、親交のあった方々からの寄稿、オマージュイラストなど盛りだくさんの内容です。