玄光社から『ローラープリントテキスタイル – インドの布への憧憬と産業革命がもたらしたもの』が10月31日(月)に発売される。
「ローラープリント(銅ローラー捺染)テキスタイル」は産業革命によって生まれた機械刷りの布の総称。マンチェスターを中心に後年日本やドイツでも生産されるほど、当時としては革新的な技術を用いたこの魅力ある布は、16世紀には世界中の羨望の的であったインドのテキスタイルとそれに携わる職人たちを脅かす存在でもあったが、いまではアンティークとなり、当時の流行や美意識、技術革新の歴史が読み取れる貴重な資料にもなっている。
本書ではインド・ラージャスターン州ジャイプルで長年アンティーク商を営むサバーシュ・シャルマさんとジャティン・シャルマさん親子の膨大なコレクションから、選りすぐりの美しく貴重なテキスタイルを主に8つの章に分けて紹介する。
1ドット・格子・ストライプ
2 和・モダン・レトロ
3 小紋
4 幾何学模様
5 ヨーロピアン
6 ペイズリー
7 つる・唐草
8 ラベル
眺めるだけでもうっとりしてしまうそれぞれの柄も、ローラープリントの発達や時代の変化から影響を受け、さまざまな歴史があることを踏まえて見るとより楽しめる。また、当時ブランドを認知させる目的で反物に付けれられていたカラフルで美しいラベルの数々も見ることが出来る。
さらに、インドのキュレーターのプラモド・クマール KGさんによるインドのテキスタイルの歴史、イギリスで長年テキスタイルについて幅広く研究を続けるフィリップ・A・サイカスさんによるローラープリントの発展についての解説付き。
インドやイギリスの布の歴史を学べるのはもちろん、デザインアイデア・作画資料などとしても参考になるはずの一冊だ。
『ローラープリントテキスタイル – インドの布への憧憬と産業革命がもたらしたもの』(玄光社)
定価:本体3,500円+税
ページ数:208ページ