読書だより:第4号『コミティア魂 漫画と同人誌の40年』

週の始まりに、絵本や漫画、創作に関する書籍などを中心に、楽しく読める1冊をご紹介する本連載。お昼休憩や帰宅後の時間のお供に、はたまたお子さまへの読み聞かせに……。気になる本に出会ったら、ぜひ手に取ってみてください。

6月最後の第4号は、ばるぼらさんとあらゐけいいちさんの共著『コミティア魂 漫画と同人誌の40年』(フィルムアート社)です。

 


『コミティア魂 漫画と同人誌の40年』

ばるぼら+あらゐけいいち 共著 コミティア実行委員会 編(フィルムアート社)

2,000円+税 D:名和田耕平+尾山紗希(名和田耕平デザイン事務所)

『ティアズマガジン』136号〜144号までの全9回で掲載された連載「コミティア魂」を、40周年記念で書籍化。オリジナル作品のみの同人誌即売会として広く知られるコミティアは、どのようにして生まれ、どこへ向かおうとしているのか? 会長・中村公彦さんをはじめとする関係者の言葉から40年の歴史に迫ります。

コミティア40周年記念ロゴの作成を担当した漫画家・あらゐけいいちさんによる描き下ろしの表紙と漫画も必見。

自身で創作をする人のみならず、イラストレーションや漫画が好きな人であれば一度は耳にしたことがあるであろう「コミティア」。同書では、その40年にわたる歩みが中心人物へのインタビューを軸に語られます。

作家と読者の出会いの場であり続けるだけでなく、新人発掘の場としての側面も大きくなりつつあるコミティアが、どのような時代と意志の中に生まれ、いまの形になっていったのか? 商業と同人、オリジナルとパロディ、作家と編集者、そして今日まで続く数多くの即売会……。発足の1980年代から2020年代までの流行を築いた作品などを踏まえ、それらが互いにどう影響を与えてあっていたかが示されると同時に、その時代の渦の中で、コミティアが何を理想とし、どのような場であろうと進んできたのかを感じられる1冊です。

“「漫画」や「創作」に翻弄されながら、「場」を作りたい人々が悩みながらも行動し、幾多の困難を乗り越えてきた果てに存在する、涙あり笑いありの日本漫画史のもう一つのドキュメントだ。”とは著者・ばるぼらさんの談。同書をとおして歴史を辿り、この本を閉じる時、読者はきっとコミティアの持つ魂に触れることが出来るでしょう。

▶︎『コミティア魂 漫画と同人誌の40年』


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