イラストレーターとして活動していく上で発生するさまざまな疑問や問題。イラストレーターを目指している、または既に活動している方でも、分からないことや不安なことがあると思います。
本記事では、『イラストレーション』No.234に収録されている「イラストレーターの基本27」の中から、イラストレーターにまつわるQ&Aを厳選し、6回にわたって紹介します。最終回は、トラブルや著作権についてです。
いざ仕事を始めてみたものの、クライアントや第三者とのトラブルが発生することがあるかもしれません。そんな時に焦って行動してしまうと、さらに状況が悪化してしまうことや、不利な状況になってしまう可能性もあります。まずは落ち着いて、どのように対処していけばよいのか整理していきましょう。
(連載のまとめはこちらから)
Q1
自分が描いた作品をSNSにアップしたら勝手に商品として使われてしまった。
まずはどの企業がその商品を販売しているか確認した上で、該当する会社にメールで自身の著作権が侵害されている旨、連絡しましょう(問い合わせる前に出来る限り証拠を収集することを推奨します)。どういった対応をしてくれるかは企業次第のため、納得する対応をしてもらえない場合は法的手続きを検討する必要があります。法的手続きは個人で行うのは難しいため、弁護士に相談することをおすすめします。
Q2
クライアントから著作権の買取を発注の条件として提示されました。どうすればよいでしょう。
著作権は作家にとって大切な権利です。ですから安易に譲渡してはいけません。なぜ譲渡する必要があるのか、慎重に検討すべきですし、疑問があれば相手に説明を求めましょう。納得出来ない回答だった場合は依頼を断るのも1つです。
もちろん譲渡する場合の条件などは契約書で厳密に取り決める必要がありますし、譲渡するに当たっては通常よりも高いギャランティをもらえるように交渉することも検討すべきです。
例えば将来自身の作品集を出版する機会があった場合に、著作権を譲渡していると自身の作品として自由に掲載することが不可能になります(許可があれば掲載は可能です)。ほかにもさまざまな権利を手放すことになるので、重々注意して契約を結ぶべきです。
Q3
クライアントから原稿料が振り込まれない。どうすればいいですか?
勘違いやミスもあり得るので、まずは担当者に原稿料が振り込まれていない旨を連絡しましょう。記録を残すため、電話ではなくメールでの問い合わせを推奨します。またメールに返事の期限も記載した方がいいです。
伝えた期限までに担当者が返答してくれない場合は、直接会社に連絡し担当者の上司に取り次いでもらって対応を促しましょう。それでも対応してくれない場合は、法的手段に移行する必要があるので内容証明を郵送する準備や弁護士の相談することをお勧めします。
*本記事は『イラストレーション』No.234の特集「イラストレーターの基本27」の内容を本Webサイト用に調整・再録したものです。内容に関しては編集部の考えであり、異なる意見もあると思います。あくまでも知識の1つとして考えてください。また、解説の内容を運用した結果、トラブルが発生したとしても編集部及び玄光社は法的な責任は負いませんのでご注意ください。
▼こちらもおすすめ
▼おすすめ連載
うつくしい手の描き方(全3回)
令和版 駆け出しクリエイターのためのお金と確定申告Q&A(全7回)
『イラストレーション』No.234の特集「イラストレーターの基本27」では、イラストレーターとして活動していく上で知っておきたい基本を押さえることが出来ます。