イラストレーターの基本その5 仕事を受ける時に気になる疑問

イラストレーターとして活動していく上で発生するさまざまな疑問や問題。イラストレーターを目指している、または既に活動している方でも、分からないことや不安なことがあると思います。

本記事では、『イラストレーション』No.234に収録されている「イラストレーターの基本27」の中から、イラストレーターにまつわるQ&Aを厳選し、6回にわたって紹介します。第5回は、仕事を受けるときに気になること・気をつけたい項目についてです。

念願の仕事を依頼を貰っても、まずは落ち着いて本当に依頼を受けるべきかどうか、慎重に条件などを確認してみましょう。

(連載のまとめはこちらから)

*本連載は2022年6月時点の内容を掲載しています。

 


Q1

仕事のギャランティの金額はどのように決めればいいでしょうか?

ギャランティの決め方はなかなか難しい問題です。イラストレーターの団体によってはWebサイトに目安の金額を掲載しているので、確認してみるとよいでしょう、そのほかの決め方の1例として、希望する年収や月収を想定し、そこから1日いくら位収入が必要か逆算する方法があります。もちろん、当初の契約以外の仕事が追加で発生した場合は、ギャランティの交渉をすべきです。

現在はイラストレーションの仕事だけで生活しているイラストレーターは以前より少なくなっていると感じています。多くのイラストレーターがイラストレーション以外に個展での作品販売など、多岐にわたる収入源を模索していることが多いです。

 

Q2

価格の交渉はしてもいいの?

提案された金額が自分の想定する金額よりも安かった場合には交渉すべきです。金額を交渉したことが原因で、イラストレーターにいい印象を持たない発注者の場合、仮にその仕事がうまくいったとしても、あまりいい関係になることは想像出来ないというのが正直なところです。

 

Q3

仕事の依頼を受けたら確認すべきことは?

仕事の依頼が来たら誰もがうれしいと思います。ただ、一度冷静になって条件などを確認することも重要です。少なくとも以下に挙げる条件などを確認した方がいいでしょう。明確な回答をしてくれない場合は、仕事を受注するかどうか再検討を勧めます。

ロ 具体的な仕事の内容

事前に把握していないと想像より作業量が多かったなど、問題が発生することもあります

ロ ギャランティ

ロ支払期日

ロ 締切などのスケジュール

口納品方法

ロ使用の範囲

口場合によっては使用期間

口著作権に関する取り決め

口競合他社の仕事に関する取り決め

Q4

競合他社の仕事は受けてはいけないですか?

広告の仕事によくあるのが、競合他社の仕事を受けていいのかどうかという問題です。基本的に契約書で競合他社の仕事をしてはいけない期間を定める必要がありますが、クライアントによってはその点を曖昧にしてまま発注してくることもあります。その場合はイラストレーター側から確認して契約書に盛り込んでもらうようにしましょう。この点を曖昧なまま放置していると、長い期間にわたって他社の仕事を受注出来ない恐れがあります。

 


*本記事は『イラストレーション』No.234の特集「イラストレーターの基本27」の内容を本Webサイト用に調整・再録したものです。内容に関しては編集部の考えであり、異なる意見もあると思います。あくまでも知識の1つとして考えてください。また、解説の内容を運用した結果、トラブルが発生したとしても編集部及び玄光社は法的な責任は負いませんのでご注意ください。

 

『イラストレーション』No.234の特集「イラストレーターの基本27」では、イラストレーターとして活動していく上で知っておきたい基本を押さえることが出来ます。


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