税金や確定申告って、必要なことだけど何だか難しそう。一体、どこから手を付けたらいいの……? そう思って、漠然とした不安を抱えている人も多いはず。
本記事では、書籍『令和版 駆け出しクリエイターのためのお金と確定申告Q&A』(桑原清幸著)から、クリエイターのみなさんのお金にまつわるQ&Aを厳選して紹介。基本的な疑問、実践的な質問などを実例で分かりやすく解説します。第4回は、お金の出入りを管理するコツについてです。
(全7回・連載のまとめはこちらから)
領収書とか請求書とかどう整理したらいいの?
確定申告の期限が近づいてきたので、今から会計ソフトに仕訳を入れようと思いますが、領収書とか請求書とか、1年分ため込んでいたら、大変なことになっています。この状態からどうやって整理したらいいでしょうか?
1年間ため込むと相当大変ですよね。来年はがんばって3カ月に一度くらいか、できれば毎月整理するようにしましょう。とはいえ、今年の分は、なんとかしないといけません。特に決まったやり方はありませんが、次のように ステップに分けて整理してはいかがでしょうか。
ステップ1 収入と経費に分ける
まずは、仕訳を入力するために必要な書類を集めてきます。収入については、取引先に送った請求書の控えなど、「もらった」お金の金額を証明するものを集めましょう。また、経費については、領収書やクレジットカードの明細など、「払った」お金の金額を証明するものを集めましょう。
ステップ2 経費の領収書を整理する
次に、経費の領収書ですが、プライベートの支出はよけながら、日付順にA4の紙に貼り付けて、きれいにファイリングしておきましょう。そんな余裕がなければ、ひとまずクリップで留めておき、入力が終わった後にきれいに整理しましょう。
会計ソフトの中には、領収書をもらった都度、スマホで写真を撮って、その場で仕訳を入力できるものもありますので、活用すると便利ですね。
ステップ3 預金通帳やクレジットカードの明細を用意する
仕事で使っている預金口座があれば、ATMで記帳しておいてください。クレジットカードの明細は1年分集めておきましょう。通帳や明細に記載されている取引のうち、仕事に関するもの(=仕訳に入れるもの)にマーカーで印を付けながら、何の収入・経費だったかわかるように、手書きでメモしておくといいでしょう。
また、会計ソフトの自動連携機能を使っていれば、もっと簡単に仕訳を入力することができます。会計ソフトが自動で毎日データを取り込んでくれるので、そのデータを元に、パソコンやスマホで簡単に仕訳を登録することができます。
これで、会計ソフトに仕訳を入力するための準備ができました。あとは、ひたすら入力していくだけです。個々の仕訳で迷うものが出てくると思いますが、この後の経費ごとの解説や、会計ソフトの質問サポートやQ&Aを参考にしてください。会計ソフトを使えば、簡単に入力できますので、がんばって全部入力してしまいましょう。仕訳の入力が終わっていれば、その後の確定申告をとても楽に進めることができます。
<プロフィール>
くわばらきよゆき/1972 年群馬県渋川市生まれ。桑原清幸会計事務所代表。税理士・公認会計士。上智大学在学中に公認会計士試験に合格。アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)に入社。大手会計事務所で 20年間勤務したのち、独立開業。会計事務所とアートを融合したギャラリーKKAG(Kiyoyuki Kuwabara Accounting Gallery)を設立。クリエイター向けの独立開業、会社設立、確定申告等を中心とした税務・経営アドバイザリー業務を行い、会計専門家の立場からアートビジネスの発展を支えている。趣味はライカカメラ収集。写真の暗室作業の他、秘湯スタンプ集め、日本酒立ち飲み屋巡りなど。
ウェブサイト(kkag.jp)
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