「コピックアワード2025」世界72カ国4796点の応募の中からグランプリが決定

世界最大規模のイラスト・アートコンテストである「コピックアワード2025」の最終審査結果が発表され、orangeさんの「ちいさなお客さん」がグランプリに決定した。

「コピックアワード2025」は画材ブランド「コピック」を製造・販売する株式会社トゥーマーカープロダクツが主催する作品コンテスト。「世界中のコピックユーザーとつながる」がコンセプトで、年齢、国籍、作品ジャンルを問わず、誰でもウェブサイトから無料で応募できる。今年は世界72カ国4796点もの応募があった。

審査員は、コピック製品を長年愛用している人気YouTuber「なつめさんち」として活躍するさや氏とげん氏、漫画家の真島ヒロ氏、クリエイティブディレクターで東京藝術大学教授の箭内道彦氏、「ハローキティ」3代目デザイナーの山口裕子氏、そして弊誌編集長も参加した。

結果発表ページでは全受賞作品120点と51点の入選作品を公開している。

また、弊誌編集長・竹内が審査員賞を贈った陳裕旻さんには後日インタビューを実施し、illustration-mag内で公開を予定している。


グランプリ:orangeさん 「ちいさなお客さん」

審査コメント

この作品はコピックの絵に憧れた人が「こんな絵を描きたい」と突き進めていった結果、ここまでできるようになったのを表したような作品だと思います。柔らかい光に包まれて、女の子と動物が楽しそうに過ごす一場面には物語性があり、コピックで描く楽しさがしっかり伝わってきます。作者の個性も温かくにじみ出ていて、まさにコピックアワードのグランプリにぴったりな一枚だと思います。(なつめさんち)

やはりこの作品には優しさを感じます。 見ていてワクワクしますし、「コピックでこんなに描けるんだ」と驚かされる部分もある。とても楽しくなる作品だと思います。(真島 ヒロ)

準グランプリ:國安ユウキさん「花葬」

 審査コメント

私たち自身もレジンを重ねる技法を試したことがありますが、本当に難しいんです。それをここまで色を綺麗にまとめつつ、透明感を保ったまま仕上げられているのは驚きでした。さらにコピックだけでなく、アクリル絵の具やラメといった異素材を組み合わせていて、近くで見ても引いて見てもずっと楽しめるという点でも素晴らしい作品です。(なつめさんち)

審査会場で圧倒的に他の作品とは違う存在感を放っていました。他の作品と同じ土俵で腕試しをするという方法もある中で、この作品は別の場所に進んでいた。でもそれは違うところに行くために行ったのではなく、作者がやりたい事をグググッと突き詰めていった結果で、それがいいなと思いました。(箭内 道彦) 

 準グランプリ:Daniel Luskinさん「An Abstract Sunset」

 審査コメント

描き込みの豊かさに目を引かれました。原画で見ると、絵の中に文字が隠されていて、その遊び心も楽しめます。カラフルな色使いも多いのに、まとまりがあり、とても完成度の高い作品だと感じました。(竹内 康彦)

コピックの魅力を最大限に活かしている作品だと思います。発色の良さを活かし、世界観をしっかり表現できている作品です。(山口 裕子)

竹内康彦 審査員賞:陳裕旻さん「History ~ Biography of Mankind」

審査コメント

一次審査の段階から「いい作品だな」と注目していました。本棚の中に馬と騎士を隠すという発想がとても面白く、そのアイデアを具現化するための工夫や調整がとても上手くいっていて違和感がありません。本棚の描写や騎士と馬の描き込みは非常に完成度が高く、とてもレベルの高い作品です。


【コピックアワード公式サイト】https://copicaward.com/ja/

【コピック公式サイト】https://copic.jp/

 


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