「ザ・チョイス」についてお聞きする入選者インタビュー 【第3回】出口瀬々さん

40年以上にわたり、イラストレーターの登竜門として『イラストレーション』で開催されているコンペティション「ザ・チョイス」。毎号異なる1人の審査員が、応募作品の中から優秀作品をチョイスすることが特徴です。年4回の全入選作品は年度賞のノミネート作品となり、年度賞の審査は4人の審査員が一堂に会して、投票制で行われます。これまでに数多くのイラストレーターがザ・チョイスから巣立っています。

本記事では、ザ・チョイスに入選された方々に、応募してみて感じたことや、入選後について、インタビューを行いました。3回目に登場するのは、第42回年度賞審査(2024年度)で入賞をした出口瀬々さんです。

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出口瀬々

「シーラカンスの寝床」(第232回入選作品)

プロフィール:青山学院大学教育人間科学部心理学科卒。心理職として、刑務所等の矯正施設で約7年間稼働。青山塾ベーシック科19期生、イラストレーション科20、21期生。第217、231、232回ザ・チョイス入選。第42回ザ・チョイス年度賞入賞(2024年度)。American Illustration 40,41 selected

Web:https://sezedeguchi.com/

Instagram:@delta52590

X:@delta52590


Q1

ザ・チョイスに応募したきっかけを教えてください。

最初はイラストレーションを学んでいたイラストレーション青山塾の先輩や同期から教わったことがきっかけです。このコンペから活躍していった方がたくさんいることを知り、力試しと売り込み両方の意図で応募し始めました。その後数年応募しなかった期間があるのですが、その間に絵が良くなったのか不安が大きくなっていました。そのため、何か今後の指標が得たいと、もがく気持ちで応募を再開しました。

 

Q2

ほかのコンペと感じる違いはありますか?

まずは敷居の低さです。年に4回審査があり応募料が良心的なことで、イラストレーションを学んでいる身でもとりあえず挑戦してみようと思わせてくれます。また、結果がすぐに分かり、試行錯誤をしやすいことも特徴だと思います。毎回異なる審査員の方の着眼点を知ることで、自分の絵を違った視点で見直したり、次はこうしてみようと違ったアプローチを試したりするきっかけにもなりました。データで提出するコンペも増えた中、原画を直接見て審査してもらえることも貴重になったように思います。

 

Q3

ザ・チョイスに入選して変わったことはありますか?

第208回ザ・チョイスに準入選後、お仕事をいただけたことは大きな変化でした。うれしさはもちろんありましたが、それまではイラストレーションを学んでいる身だという意識が強く、仕事として作品を提供することの難しさを知りました。

また、ZINEやポストカードを売るイベントに参加した際は、「ザ・チョイスを見て来ました」と声をかけてくださることもあり、誰かに届いていることが実感できたこともうれしい経験でした。

 

Q4

ザ・チョイスからつながったお仕事、もしくは最近の印象に残っているお仕事を教えてください。

『帰れない探偵』 著者:柴崎友香 装丁:川名潤

本作は、読み切りの短編で扉絵を担当してから、連載を経て単行本化されるまでお付き合いすることのできた大切な作品です。この短編の扉絵がイラストレーターとしての初めての仕事で、第208回ザ・チョイスで準入選をいただいた宮古美智代さんからの依頼でした。依頼が来た時の興奮や原稿を読む時のドキドキ感、書店に並んでいるところをみた高揚感は今でもはっきり覚えています。

Q5

これからザ・チョイスに応募したい人へのアドバイスをお願いします。

何度か迷って応募しなかったことがあるのですが、その回の審査の様子やコメントを読むとやっぱり出しておけばよかったと後悔しました。また、入選に至らなくても、応募した回の審査の総評の方がよりスッと入ってくるように感じます。参加することで自分の事として感じられるのは大きいのかと思います。ぜひ、少しの迷いは振り切って応募してみてください。

 


ザ・チョイス

次回の審査員:げみさん(イラストレーター)

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