40年以上にわたり、イラストレーターの登竜門として『イラストレーション』で開催されているコンペティション「ザ・チョイス」。毎号異なる1人の審査員が、応募作品の中から優秀作品をチョイスすることが特徴です。年4回の全入選作品は年度賞のノミネート作品となり、年度賞の審査は4人の審査員が一堂に会して、投票制で行われます。これまでに数多くのイラストレーターがザ・チョイスから巣立っています。
ザ・チョイスに入選された方々に、応募してみて感じたことや、入選後についてお聞きするインタビュー連載・第2弾。今回で最終回です。第5回に登場するのは、第41回ザ・チョイス年度賞審査で入賞し、ハッキリとしたシェイプと、ポップな色使いで、書籍装画などを手がけているOJIYUさんです。
(連載のまとめはこちらから)
OJIYU

イラストレーター、アーティスト。逗子市在住。書籍の装画などのお仕事を中心に活動。ボーダー(柵)のない、ニュートラルな<ヒト>をモチーフに描いたり刷ったり作ったり。生きているからこその、複雑な感情・温度・事象を、ハッキリとしたシェイプと、ポップな色合いで表現。
Instagram@ojiyu_0
X(Twitter)@ojiyu_0
Q1
ザ・チョイスに応募したきっかけを教えてください。
イラストレーターを志す前は、木版画を用いた抽象作品の制作を細々としていました。
このままの制作を続けていくか迷っていた最中、新型コロナウイルス流行によりヒトとの関わりが断絶され、精神的にすっかり参ってしまいました。
そんなとき、社会と関わりたい気持ちと、表現を続けていきたい気持ちの両方が活かせる、イラストレーターという道がある! と気付きました。
現役で活躍しているイラストレーターの方の経歴を調べまくり、どうやらイラストレーターの為のコンペがあるらしい。という所に行きつき、雑誌を購入し、応募まで至りました。
Q2
ほかのコンペと感じる違いはありますか?
審査員の方が毎回変わることはもちろん、私にとっては熱量が高まっている“いま”というタイミングで出せることが魅力でした。
いま! この時! この空気感! にバイブスがバチっとハマったときが自分らしさが発揮される重要素だと思っているので、年に4回チャンスがあるのはめちゃありがたいです!
Q3
ザ・チョイスに入選して変わったことはありますか?
特にイラストレーターの方々からおめでとうとかイラスト好きですなどと言っていただいて、ここまでなんとなく野生? で、孤独で、でも無我夢中で進むしかない! 状態だったので、コンペにチャレンジすることで“仲間(NAKAMA)~一人じゃないさ~”を感じられたのもうれしかったです。
Q4
ザ・チョイスからつながったお仕事、もしくは最近の印象に残っているお仕事を教えてください。

著者:金原ひとみ 装丁:川名潤
ザ·チョイスから直接繋がったわけではないのですが、積極的に個展やイベント出展、コンペにと遮二無二チャレンジしていった結果、依頼するに値すると判断していただけて、お仕事に繋がっていったのかなと思っています。
特に、金原 ひとみさん著『ナチュラルボーンチキン』(河出書房新社)は小説の内容が、おこがましいのは承知の上で、OJIYU的活動指針とシンパシーが強く、マジこのような最高の小説に関わらせていただけて、この本を読んで勇気づけられるみなさんの手元に届けるお手伝いを装画という形でできたことが奇跡のようで、やってて良かった..….そして今後も頑張ります!! という気持ちです。お声かけくださった川名潤さんには頭が上がりません。
Q5
これからザ・チョイスに応募したい人へのアドバイスをお願いします。
まだまだこれからな身ですが……
100%の出来じゃなくてもー! 自分で良いかどうかわからなくなってもー! 急に猛烈に恥ずかしくなる夜がきてもー!!
出しちまえばこっちのもん!!!ガツガツ出してこー!!
ザ・チョイス
次回の審査員:げみさん(イラストレーター)
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