イラストレーターに聞く“5つの質問” 第11回 the rocket gold star 山崎秀昭さん

『illustration FILE 2022』巻頭企画「イラストレーターに聞く“5つの質問”」。そこには、イラストレーターのみなさんの実感を伴った言葉が多数掲載されています。

新型コロナウイルスの影響が色濃く残っていた2022年。日常の在り方が刻一刻と変わっていく中で、イラストレーターの方々は何を考え、感じ、どのように絵と向き合ってていたのでしょうか?本記事では、掲載された方々の中から編集部が12名をピックアップし、当時の回答をそのまま紹介します。第11回目に登場するのは、ファミレスチェーン「サイゼリヤ」のメニューやQBBベビーチーズのプロモーションなどで馴染み深いthe rocket gold star 山崎秀昭さんです。

(連載のまとめはこちらから)

 


the rocket gold star 山崎秀昭

「まちがいさがし」

キャラクター、イラストレーション、広告、絵本、アニメーション、2コマ漫画等制作。有限会社ザロケットゴールドスター代表。

ウェブサイト

Instagram @chinpunrocket

X(旧Twitter)@therocketgolds1

 

Q1

「イラストレーション」という言葉の持つ意味合いが多様化する昨今、イラストレーターの仕事をどう捉えていますか? また、イラストレーションに感じる希望や可能性、ご自身が力を入れていることは何ですか?

イラストレーターとして仕事をすることは、クライアントが持つ何らかの問題を一緒に解決するお手伝いをするという風に捉えています。イラストレーションは人と人とを繋ぐ「コミュニケーションツール」であると考えており、その部分に可能性を感じています。実際、多種多様な方々から直接依頼を受け、お話しする機会が多くあります。

 

Q2

仕事や自主制作の時に使用する画材や紙、デバイス、ソフトウェアはどういったものですか?

ぺんてるの黒の水性ペンとコピー用紙を使っています。ラフも本書きも同じ画材です。本書きは一発描きで、その線をスキャンしたものをPhotoshopでトレースしてIllustratorで着色して完成です。展覧会や壁画などの場合は、キャンバスとイベントカラーなどを使用しています。

 

Q3

新型コロナウイルスによる日常生活や仕事の変化、影響はありましたか?

打ち合わせにおいてオンライン会議が増えました。移動時間が減ったことで仕事の効率はよくなりましたが、雑談する場面が減ってしまったのは少し寂しいです。実際、雑談の中から生まれるアイデアも多いので……。世の中的には少し暗いイメージが漂っているので、自分のスタイルである鮮やかな色で着色することをいっそう心がけるようになりました。

 

Q4

絵を描くときの思考や技術の礎、実作業の時の着想源や資料として利用するものはどんなものですか? また、2021年印象に残ったものは?

見る人それぞれが自由に感じられるよう、なるべく少ない線と色でシンプルに描き、余白を残すよう心がけています。着想源は過去に見たり体験したりした記憶や人との会話です。2021年印象に残ったベスト1は「シン・エヴァンゲリオン劇場版」です。長年追い続けていたので完結してよかったです!

 

Q5

実際に仕事をする上で気をつけていること、知っていてよかったこと、今後身に付けたい技術や知識は?

依頼された仕事をきちんとするのはもちろん、何か1つ、依頼主に喜んでもらえるような「おまけ」を加えたいと思っています。6ポーズ依頼されたものを10ポーズにしたり、色のパターンを複数用意したり……。その「おまけ」を考えるのも楽しいです。

 


※本記事は『illustration FILE 2022』上巻の内容を本Webサイト用に調整・再録したものです。記載している内容は出版当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

『illustration FILE 2022 上巻』(玄光社)


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