あの時の表紙は? 『illustration』のバックナンバー紹介 第2回 中村佑介さん

『illustration』は、1979年の創刊からイラストレーションにまつわる最先端の情報を発信し続けてきました。そしてその表紙は、いつも各時代を代表するイラストレーターの作品で彩られています。

連載「あの時の表紙は? 『illustration』のバックナンバー紹介」では、200号を超えるバックナンバーのなかから、印象的な表紙をテーマごとにピックアップ。第2回は、ロックバンド「ASIAN KUNG-FU GENERATION」のCDジャケットや、小説『謎解きはディナーのあとで』(小学館)、『夜は短し歩けよ乙女』(角川文庫)の書籍カバーなどを手がけるほか、アニメーションのキャラクターデザインやTV・ラジオ出演、エッセイ執筆も行う、中村佑介さんの表紙を紹介します。

連載のまとめはこちらから

 


中村さんが過去に本誌の表紙を飾ったのは、No.168、No.181、No.192、No.205の合計4回。実は、『illustration』の創刊から表紙の手がけた回数が最も多いのが、中村さんです。

2007年11月発行のNo.168では、初めての巻頭特集「中村佑介 横顔の少女」が組まれました。イラストレーターになるまでの経緯、少女を描く理由などが語られており、この後さらなる活躍をする中村さんの、当時の思いを知ることが出来ます。

2度目に表紙を飾った号は、2010年1月発行のNo.181。特集「「私」が影響を受けた作家」のなかで、中村佑介さんをはじめ、安西水丸さん、寺田克也さん、100%ORANGEさん、山村浩二さん、山本タカトさんが影響を受けた作家について語っています。中村さんは、竹久夢二、オーブリー・ビアズリー、福田繁雄、あだち充 、松本隆の名前とその作品を挙げています。

2011年11月発行のNo.192は、60ページにわたる中村佑介大特集。大ヒット作品集『Blue』(飛鳥新社)の発売から2年、同作品集以降に発表された作品を中心に紹介しています。作品の進化、考え方の変化、結婚の話などを取材するほか、大阪1日散歩に密着した、中村さんのプライベートを窺い知れるコーナーも。

2015年3月発行のNo.205では、作品集『NOW』(飛鳥新社)が発売されて間もない中村さんの「なう」をお届けする大ボリュームの特集が組まれました。この号は『illstration』でも珍しく、目次、表紙、裏表紙が1枚の横長のイラストレーションでつながっています。また、中村さんの母・山下真知子さんとの「初めての親子対談」も収録。こちらは、ウェブ記事としても公開しているので、ぜひチェックしてみてください。

 

長く購読していただいている方は、しばらく本棚で眠っている号もきっとあるかもしれません。機会があれば、思い出にふけりながら読み返してみてはいかがでしょうか。

 

〈プロフィール〉

中村佑介(なかむらゆうすけ)/1978年生まれ、兵庫県出身のイラストレーター。大阪芸術大学デザイン学科卒業。ASIAN KUNG-FU GENERATION、さだまさしなどのCDジャケット、『夜は短し歩けよ乙女』(角川文庫)『謎解きはディナーのあとで』(小学館)、音楽の教科書などの書籍カバー、浅田飴、ロッテのチョコパイなどのパッケージほか、数多く手がける。ほかにもアニメのキャラクターデザイン、ラジオ制作、エッセイ執筆など表現は多岐にわたる。画集『Blue』『NOW』(共に飛鳥新社)は13万部を記録中。教則本『みんなのイラスト教室』(飛鳥新社)、ぬりえブック『COLOR ME』『COLOR ME,too』(共に復刊ドットコム)、最新刊CDジャケット全集『PLAY』(飛鳥新社)も好評発売中。http://www.yusukenakamura.net/

 


「Backnumber」ページでは、創刊号から最新号に至るまでの、すべての表紙と目次を掲載しています。検索で気になるイラストレーターが特集された号を探すことも出来ます。

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