【展覧会レポート】「みみをすますように 酒井駒子」展がPLAY! MUSEUMで開幕

『よるくま』『金曜日の砂糖ちゃん』(共に偕成社)などで知られる、絵本作家の酒井駒子さん。子どもから大人まで多くのファンを持つ酒井さん初めての本格的個展が、4月10日(土)から東京・立川市のPLAY! MUSEUMでスタートする。

本展では、酒井さんのデビュー作から最新作まで20冊以上の絵本の中から、200点を超す原画を厳選して紹介。「ある日」「ひみつ」「こみち」などのテーマに沿って分けられた6つのエリアごとに、酒井さんがこれまで手がけた作品をたっぷりと味わうことが出来る。

下塗りした黒い絵具の上に描かれる、動物や子どもたちの姿。酒井さんによって切り取られるのは、どれも手からこぼれ落ちそうなほど儚く、かけがえのない一瞬だ。宝物のような瞬間が収められた1枚の絵は、切なさや愛おしさ、懐かしさなど、さまざまな感情を観ている者に呼び起こす。

『ヨクネルとひな』より
『ねえさんといもうと』より
『まばたき』より

また、本展では作品の魅力をさらに引き立てる空間デザインにも注目したい。建築家ユニット「2m26」(セバスチャン・ルノー/メラニー・エレスバク)が手がけた会場は、天然の杉材をふんだんに使用。額装や展示ケースの高さもそれぞれ異なり、あたかも森の中を散策するような体験を味わうことが出来る。

展示風景より
展示風景より。杉材の香りと、遠くから鳥の声が聞こえる。まるで森林の中を歩いているよう。
展示風景より。初期の代表作『よるくま』の原画が、「夢の中に出てくる家」を思わせる空間に飾られている。

同時開催で行われている年間展示「ぐりとぐら しあわせの本」展も、あわせて楽しみたい。こちらは、絵本の中に迷いこんだように、身体的な体験をとおして『ぐりとぐら』の作品世界に触れることが出来るのが魅力。会期中は、子どもたちのはしゃぎ声が聞こえてきそうな空間になりそうだ。

館内では、カフェでの特別メニューの提供や、思わず手に入れたくなるようなグッズも豊富に販売されている。1日をとおしてたっぷりと魅力的な絵本の世界に浸りたい。

 

<プロフィール>

酒井駒子/1966年生まれ、絵本作家。絵本に『よるくま』『はんなちゃんがめをさましたら』(いずれも偕成社)『ロンパーちゃんとふうせん』(白泉社)など、画文集に『森のノート』(筑摩書房)。『きつねのかみさま』(ポプラ社)で日本絵本賞、『金曜日の砂糖ちゃん』(偕成社)でブラティ スラヴァ世界絵本原画展金牌賞、『ぼく おかあさんのこと…』(文溪堂)でPITCHOU賞(フランス)・銀の石筆賞(オランダ)、『くまとやまねこ』(河出書房新社)で講談社出版文化賞絵本賞を受賞。『ゆきがやんだら』(学研プラス)はニューヨーク・タイムズの「2009年の子供の絵本最良の10冊」にも選ばれた。

 


「みみをすますように 酒井駒子」展

会期:2021年4月10日(土)〜7月4日(日) *会期中無休(予定)

会場:PLAY! MUSEUM

住所:東京都立川市緑町3-1 GREEN SPRINGS W3

時間:10:00〜18:00(平日は17:00まで/入場は閉館の30分前まで)

入場料:一般 1,500円 、大学生1,000円、高校生 800円、中・小学生 500円

Webサイト:https://play2020.jp

*「ぐりとぐら しあわせの本」展の会期は、2021年4月10日(土)〜2022年3月末予定。


関連記事