国際的に活躍する美術家・奈良美智さんの青森県立美術館では10年ぶりとなる個展が開催中だ。会期は2024年2月25日(日)まで。
奈良さんは1959年、青森県弘前市生まれ。愛知県立芸術大学で本格的に絵画を学び1987年に同大学大学院修士課程を修了。翌年にはドイツに渡り、国立デュッセルドルフ芸術アカデミーで学びながら制作を続け、2000年の帰国後からは、国際的な評価へとつながる大規模な個展の数々を、国内はもとより欧米やアジア各地で開催している。約40年に及ぶその歩みから生み出された、孤独にたたずむ鋭い眼差しの子どもの絵画やどこか哀しげな犬の立体作品は、国や世代を超えて多くの人々の心を捉えてきた。
東日本大震災以後の奈良さんは、自らがよって立つ地盤を確かめるように、たびたび過去に意識を向け、自分史に関わる土地に旅をしたり、旧作を新たな眼差しで捉え直したりなど、過去との出会いを通じて「自分の時間軸に一本の幹を見つけ」ようとしている。
本展では、感性の起源(はじまりの場所)へと至る「一本の幹」を探り当てるべく5つのテーマが設けられ、近年の作品と共に学生時代にまでさかのぼる秀作の数々を展示する。また、ミュージアムショップ及びオンラインショップでは、スノードームをはじめ奈良さんの作品をモチーフにしたオリジナルのグッズなどが販売されている。
奈良さんの出身の地で開催される、創造の「はじまりの場所」を知ることの出来る本展。その作品との出会いの地は、鑑賞者にとっても新たな「はじまりの場所」となるに違いない。
【奈良美智: The Beginning Place ここから】
会場:青森県立美術館
〒038-0021 青森市安田字近野185
会期:2023年10月14日(土)~2024年2月25日(日)
休館日:10月23日(月)、11月13日(月)、27日(月)、12月11日(月)、25日(月)〜2024年1月1日(月・元日)、9日(火)、22日(月)、2月13日(火)
開館時間:9:30〜17:00(入館は16:30まで)
*10月21日(土)、11月18日(土)、12月9日(土)、2024年1月20日(土)、2月17日(土)はナイトミュージアムにつき20:00まで開館(入館は19:30まで)
観覧料:一般1,500円(1,300円)高大生1,000円(800円)小中学生 無料
*( )内は前売券、20名以上の団体及びWebチケット料金。Webチケットはシステム利用料等別途165円が必要となります。
*心身に障がいがある方と付添者1名は無料