【展覧会レポート】「イラストレーター 安西水丸」展 世田谷文学館で開幕

イラストレーションだけでなく、小説や漫画、エッセイ、絵本など、幅広いジャンルで活躍したイラストレーターの安西水丸さん。その幼少期から晩年までの足跡を、600点以上の関連資料をとおして紹介する展覧会「イラストレーター 安西水丸」展が、東京・世田谷文学館で4月24日(土)から開幕した(臨時休館情報要確認)。

第1部では、安西さんがこれまで手がけてきた数々の仕事を紹介。装丁をはじめ、広告、漫画、立体物などが展示され、安西さんの多様な才能を窺い知ることが出来る。

安西さんが装画を担当した書籍がずらり。「本はあくまで著者のもの」という考えのもと、デザイン過多にならないように気を付けていたという。
『illustration』No.188では、巻頭で安西水丸さんを特集。表紙を飾った貴重な原画も展示されていた。

第2部では、安西さんと特に関係の深かった嵐山光三郎さん、村上春樹さん、和田誠さんとの交流のなかで生まれた作品たちに焦点が当てられている。

安西さんがこれまでに描いた、村上春樹さんの似顔絵。
安西さんが初めて村上さんを描いたのは、1984年に刊行された雑誌『ビックリハウス』の表紙だった。カバー原画は本展が初出品となる。
「憧れの人だった」と語る和田誠さんとの共作。1枚の紙の左に和田さん、右に安西さんが絵を描く。
安西さんが装画を描く予定だった村上さんの著書『セロニアス・モンクのいた風景』。安西さんの急逝後、その仕事を引き継いだ和田さんは、表紙にセロニアス・モンクと安西さんの姿を描いた。

また会場では、安西さんが制作に使用していたパントーンなども展示。さらに会場のデザインにもその要素が組み込まれるなど、遊び心あふれた空間なのも魅力の1つだ。

手前が安西さんが使用していたパントーン。画面左奥には、安西さんが装画を手がけたほるぷ出版の日本文学全集が並べられている。
さまざまな仕かけが施されている会場デザインにも注目。

そして、見逃せないのが会場最後に位置する東京会場オリジナルのコーナー。この一角には、旅が大好きだったという安西さんの旅にまつわるエッセイ、生原稿、各地で収集したオブジェや雑貨が所狭しと並び、安西さんの人柄まで垣間見ることが出来る。

安西さんが愛用していたジャケットやパンツ。
貴重なコレクションや旅行記の原稿・挿絵が並ぶ。
鎌倉にあるアトリエの机の上を表現したコーナー。

安西さんの妻であり画家の岸田ますみさんは、この展覧会を見終わった後に「安西と一緒に作ったみたいな会場」と感想を述べたという。さまざまな視点からイラストレーター・安西水丸に迫る同展。ぜひ会場に足を運び、作品からあふれる安西さんの息遣い、そして1本の線の無限の広がりを間近で体感して欲しい。

 


「イラストレーター 安西水丸展」

会期:2021年4月24日(土)〜8月31日(火)*臨時休館情報要確認

会場:世田谷文学館 2階展示室

住所:東京都世田谷区南烏山1ー10ー10

開館時間:10:00〜18:00

休館日:毎週月曜日(ただし8月9日は開館、5月6日・8月10日は休館)及び臨時休館期間中

Webサイト:https://www.setabun.or.jp

 


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