「イラストレーター 安西水丸展 ぼくのあそび I DRAW TO PLAY」が、立川・PLAY! MUSEUMで2026年5月20日(水)からスタート

東京・立川にあるPLAY! MUSEUMで「イラストレーター 安西水丸展 ぼくのあそび I DRAW TO PLAY」が、2026年5月20日(水)からスタートする。会期は2026年7月12日(日)まで。

安西水丸さん(1942-2014)は、1970年代から小説、漫画、絵本、エッセイや広告など、多方面で活躍し、現在でも多くの人を魅了しつづける、日本を代表するイラストレーター。

本展は2016年から各地を巡回し話題を集めた「イラストレーター 安西水丸展」に新たな展示を加え、PLAY! MUSEUMから再始動する展覧会だ。

 

400点以上でたどる「仕事」と「あそび」を行き来する多彩な作品

生前、自身のことを「いまでも小学生の絵を描いている、普通の人」とあらわし、「仕事」と「あそび」を行き来しながら制作を続けていた安西さん。その仕事のスタイルに着目し、会場では安西さんにとって描くことの原点だった「あそび」の感覚をたどりながら、安西さんの「全仕事」を印刷物、原画、版画、関連資料約400点以上で紹介している。

イラストレーターという枠にはまることなく、小説、漫画、絵本、エッセイや広告など、多彩な創作活動で時代の第一線を歩み続け幅広く活動する一方で、職業を聞かれると決まって「僕はイラストレーターです」と答えていたという。

安西さんの私物や道具、さらには私服までを展示するコーナー。アトリエの雰囲気を感じ取れる。
安西さんが7歳の頃に描いた絵に、61歳の安西さんが自身で文章を付けた作品。技巧的に絵が上手くなり、個性を失うことをずっと恐れていたという安西さん。7歳の頃の作風がその後も、何十年に渡り感じられることからその強い意志を感じ取れる。
多様な作風を自在に切り替えながら手がけた装画の数々。
漫画の仕事。
嵐山光三郎さんとの仕事。
村上春樹さんとの仕事。
和田誠さんとのコラボレーション作品。
ポスターの仕事。
雑誌の仕事。

 

大きな楕円空間で堪能するホリゾン(水平線)のシリーズ

しばしばイラストレーションの中に、画面を横切る一本の線を引いた安西さん。その線を「ホリゾン(水平線)」と呼び、安西さんの作品のトレードマークとなった。ホリゾンを引くことで、コーヒーカップがテーブルの上に置かれているように、花瓶は出窓に飾られているように、絵の中に空間の広がりが生まれる。そのルーツは、安西さんが幼少期に過ごした千葉の海辺の街、千倉にある。

PLAY! MUSEUMの特徴的な大きな楕円の空間には、ホリゾンのシリーズを80点展示。その空間に続く通路には、安西さんが千倉について語った言葉が。空間内では千倉の海の映像が流れ、安西さんの育った街の雰囲気を感じながらさまざまな構図や色彩による作品を一望できる。

ホリゾンを基準に並べられた作品たち。

所々に展示されている立体物は、安西さんが収集したコレクションで、気に入って描いていたモチーフの一部。角度や構図を変えて何度も違う作品に登場している。会場内で、あっこれ……!となるのが楽しい。

中には、パントーン・オーバーレイを使った作品も。パントーン・オーバーレイとはフランスのレトラセット社が生産していた、配色のために使うスクリーントーンの通称で、必要な形に切り抜き貼り込んで使用する透明なカラーシート。状態のよい原画はそのまま、それ以外は復刻ジークレーという形で展示されており、その味わいの違いも楽しめる。特に現在は生産終了しているパントーン・オーバーレイの作品を見ることができるのは貴重な機会だ。

パントーン・オーバーレイを使用した作品原画。

 

会期中は毎日ワークショップを開催。かわいいオリジナルグッズや、昭和の喫茶店をイメージしたコラボメニューも見逃せない。

これまでの展示を見ていない方はもちろん、すでに見に行った方も訪れてほしい、大幅バージョンアップした本展。絵を描くことの純粋な楽しさを思い出せるような心温まる本展に、ぜひ足を運んでみてほしい。

 

<プロフィール>

安西水丸(あんざい・みずまる)/1942年東京⽣まれ。⽇本⼤学芸術学部美術学科造形コース卒業。電通、ADAC(ニューヨークのデザインスタジオ)、平凡社でアートディレクターを務めた後、フリーのイラストレーターになる。1985年朝⽇広告賞、毎⽇広告賞、1987年⽇本グラフィック展年間作家優秀賞、1988年キネマ旬報読者賞など受賞多数。⼩説『アマリリス』『荒れた海辺』、エッセイ『⻘⼭の⻘空』『スケッチブックの⼀⼈旅』、絵本『がたんごとんがたんごとん』『ピッキーとポッキー』など著書多数。2014年没。

 


イラストレーター 安西水丸展 ぼくのあそび I DRAW TO PLAY

会期:2026年5月20日(水)~7月12日(日)*会期中無休

時間:平日10:00~17:00/土日祝10:00~18:00

*最終入場は閉館30分前まで

入場料:一般 1,800 円/大学生 1,200 円/高校生 1,000 円/中・小学生 600 円

*立川市在住・在学者の方は在住・在学を確認できる免許証や学生証を提示すると、以下の割引料金で入場できます。

[立川割]一般 1,200 円 /大学生 700 円/高校生 600 円/中・小学生 400 円

*未就学児無料

会場:PLAY! MUSEUM

東京都立川市緑町 3-1 GREEN SPRINGS W3 棟 2F

公式ウェブサイト:https://play2020.jp/article/anzaimizumaru

 

その他の安西水丸展情報

2026年9月14日(月)〜10月25日(日) 
「安西水丸とイラストレーション──絵があって、ぼくがいた。」

2026年秋に、武蔵野美術大学でも安西水丸の展覧会を開催。

現在、安西の作品資料は武蔵野美術大学 美術館•図書館(武蔵美)と早稲田大学 国際文学館(村上春樹ライブラリー)に収蔵され、中長期的な研究や公開が進められています。
武蔵美では原画約13,000点が寄贈され、2026年秋に展覧会を開催予定です。


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