キャラクターデザインのための髪作画 (第2回:毛先の向き・カールのつけ方)

髪型はキャラクターの個性を作る上でとても重要な要素です。髪の長さやカットの仕方はもちろん、毛を結んだりカールをつけたりしてスタイリングすることで印象がガラリと変わります。

本記事では、7月に刊行された『キャラクターデザインのための髪作画』(玄光社)から一部を抜粋し、魅力的な髪型のイラストを描くための、ヘアメイクアーティストのアレンジテクニックとイラストレーターの作画テクニックを合わせてご紹介します。

第2回のテーマは「毛先の向き・カールのつけ方」です。

(全5回・連載のまとめはこちらから)

 

カールをつけて毛先の向きを変える

毛先に向きをつけて巻くことを「カール」といい、髪型のシルエットに動きをつけます。「ストレート」を基準にして、内側に巻く「内巻き」、外側にハネる「外巻き」を使い分けましょう。

 

ストレート

まっすぐに伸ばした毛先。やや内向きに入れると自然なスタイルになる。外側の毛を少し長めにすることで、自然なまとまり感がでる。

 

 

内巻きカール

内側に丸めたような毛先。全体的に軽やかになり、フェミニンな印象に。丸めた毛先に空間をつくると、ふんわりとした空気感がでる。

 

 

外巻きカール

外側にハネたような毛先。髪にくびれができ、活発でおしゃれな印象に。くびれをつくることで、毛先のハネをより強調できる。

 

point① カールとウェーブ

基本的に「カール」は毛先だけを、地面に対して水平に巻くこといいます。根本や中間から巻くことは「ウェーブ(平巻き)」といい、髪が波打つような毛流れになり、ふんわりとした仕上がりになります。

 

 

カールをつけて毛先の向きを変える

毛先の向きを決めたら、カールに強弱をつけましょう。ニュアンスをつける半回転の「ハーフカール」と、しっかり一回転させる「ワンカール」があります。

 

ハーフカール(内)

毛先を内向きに半回転させたカール。丸みのあるシルエットで、ナチュラルガーリーな雰囲気に似合う。外側の毛先で包むように丸め、さりげないまとまり感をだす。

 

 

ハーフカール(外)

毛先を外向きに半回転させたカール。肩先のハネ感が、クールやアグレッシブな雰囲気に似合う。きれいにまとめ過ぎず、やや無造作っぽくするのがコツ。

 

 

ワンカール(内)

毛先を内向きに1回転させたカール。ふんわりとしたシルエットで、大人かわいいフェミニンな雰囲気に似合う。毛先がしっかり内側に丸まっており、垢抜け感がでる。

 

 

ワンカール(外)

毛先を外向きに1回転させたカール。くびれの大きなシルエットで、色っぽいエレガントな雰囲気に似合う。毛先を外側にしっかりとカールさせることで、こなれ感をだす。

 

 

point② 髪質もイメージしよう

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髪質にもこだわると、より描き分けに差をつけることができる。かたい髪質の場合は、同じ方向の毛流れでまとめて毛先を直線的にする。やわらかい髪質の場合は、毛流れの方向に幅を持たせて毛先に丸みをつくる。

 


『キャラクターデザインのための髪作画』(玄光社)

プロが教える基本的な髪型の構造や髪の描き方など、ヘアメイクと作画の両方の基礎知識を身につけられます。キャラに個性を与えるヘアレシピやアレンジも豊富に収録しています。


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