第232回ザ・チョイス 雪下まゆさんの審査レポート

アーティスト・ファッションデザイナーの雪下まゆさんによる審査が、2024年8月21日に行われました。応募者は約180名、応募点数はおよそ800点です。その審査の様子と結果をレポートします。

写実的でありながら絶妙なデフォルメとラフさを効かせた画風で人気を博す雪下さんは、『同志少女よ、敵を撃て』(逢坂冬馬  著/早川書房)をはじめとする書籍装画や広告などに数多くの作品を提供し、9月公開の映画「傲慢と善良」ではティザービジュアルのイラストレーションも担当するなど、目覚ましい勢いで活躍の場を広げています。その活動はイラストレーションだけに留まらず、2020年には自身のファッションブランド「Esth.」を立ち上げました。

コンペの審査員を務めるのは今回のザ・チョイスが初めてだという雪下さん。全国各地から、幅広い世代の作品が集まりました。

初めての審査に緊張の面持ちが見える中始まった1次審査。 目の前に広げられる作品を1つずつしっかりと確認し、「残すもの」「残さないもの」に分けていきます。始めは「どういう基準で決めるべきか難しい」とおっしゃっていた雪下さんですが、次々に作品を見ていくうちにだんだんと迷う時間が減っていきました。続く2次審査では1次審査より格段にスピードアップしつつも、時おり裏面のタイトルや画材を確認しながら進めました。この時すでに入賞作品のいくつかは心に決めていた様子。ここまでで残った候補者は50名弱です。

審査を通過したすべての作品を机に並べると、1人ひとりの作品を広げてじっくりと確認し、40名ほどに絞ったところで最終審査が始まりました。すでに心に決めていた様子だった数名に入選の札を置くと、そこからはまた時間をかけて作品を吟味しながら、入選、準入選と交互に選んでいきます。悩む様子を見せながら何度も足を止めては作品の表裏を見比べ、じっくり最後まで悩みながら慎重に札を置いていき、雪下さんのザ・チョイス審査は無事に終了しました。

途中、「選びながら、自分はこういう絵が好きなんだなと気付きました」と語った雪下さん。悩んでいた様子の最終選考については「後半になるにつれそれぞれの作品に対して好きな側面が出てきて愛着が生まれ、選ぶのに時間がかかりました」と振り返りました。
雪下さんは初めての審査でどんな作品をチョイスしたのでしょうか。雪下さんの詳しい審査評と気になる入選作品は、2024年10月18日発売の『illustration』No.244に掲載されます。 審査結果は、以下のとおりです。

 

〈入選〉

●阿部一太、いのうえはるな、VVIN、辻本大樹、出口瀬々、三田圭介、曜とま(東京都)●鹿野里美、tara(神奈川県)●雷(大阪府)

〈準入選〉

●北尾望、久保まゆこ、ひさこ(東京都)●yakiimonokaori(神奈川県)●もち山あやこ(京都府)●波戸優希(大阪府)

 

〈最終選考まで残った方々〉

kaho(北海道)うしさん、ルソー太郎(埼玉県)Hikaru Hatori、真夜中ぼたん、森本友(千葉県)大石さちよ、okoto、cactus_、Karin Nogami、せいのみわお、てぃー、Fuming、堀井美沙子、増田ソフィ、やなぎやまさみ(東京都)outsider、フジ・ミサキ、森サヤカ(神奈川県)いのうえゆうこ(静岡県)カニコ(愛知県)イシダマリコ、droppunch+uito(京都府)前田登志春(大阪府)畠田由佳(兵庫県)