「フィリップ・ワイズベッカーが見た日本」東陽町GALLERY A4で開催中 11月20日まで

『illustration』No.219で特集したフィリップ・ワイズベッカーさんの展覧会「フィリップ・ワイズベッカーが見た日本—大工道具、たてもの、日常品」が、東京・東陽町のGALLERY A4(ギャラリー エー クワッド)で開催されている。

日常に存在する何気ないモチーフに美を見出し、表情豊かに描くフィリップ・ワイズベッカーさん。今回は彼が日本滞在中に見付けて描いた日用品や建物の作品、約80点を展示。日本人にとって見覚えのある数々のモチーフが、ワイズベッカーさんの目線をとおして魅力的に描かれ、新鮮な発見を与えてくれる。

会場の様子。トラック、建物、畳、日用品など、日本人に馴染みのあるモチーフが並ぶ。
「KAMIGYO-KU」(2020)Photo:Toshiaki Miyamoto
「TOKYO SHUTO EXPRESS WAY 8AM」(2020)Photo:Toshiaki Miyamoto

さらに今回は、竹中大道具館の所蔵品を描いた大道具の作品も見どころの1つとなっている。いつもの表現方法から離れ、大きなドローイングをとおして描き出す新たな試みは、ワイズベッカーさん自身も「非常にエキサイティングな体験」と語る。

「TWO SAWS」(2020)Photo:Toshiaki Miyamoto

また作品ごとにセレクトされた紙の質感や折り目、継ぎ目、汚れや消し跡に至るまで、すべてを作品の一部として楽しめるのも魅力だ。

今回はパリのアトリエをワイズベッカーさん自らが案内する映像も公開され、材料や技法、道具へのこだわりを語っている。開催期間に限りYouTubeでも視聴出来るので、間近で見る原画と合わせて制作過程や作品の細部までじっくり味わいたい。

制作のノートや日本から持ち帰ったお気に入りの道具、愛用の画材なども展示されている。

 

<プロフィール>

フィリップ・ワイズベッカー/1942 年生まれ。1966 年フランス国立高等装飾美術学校(パリ)卒業。1968 年ニューヨーク市に移住し、活動を始める。アメリカの広告やエディトリアルのイラストレーション制作を数多く手がけた後、2006 年フランスに帰国。アートワークを本格的に制作開始し、欧米や日本で発表を続けている。2004 年にはアンスティチュ・フランセ日本が運営するアーティスト・イン・レジデンス、ヴィラ九条山に滞在。日本での仕事も多く、JAGDA、NYADC、東京ADC など国内外で受賞。2020 年東京オリンピック公式ポスターも手がけている。作品集に『Philippe Weisbecker Worksin Progress』( パイ・インターナショナル刊)、『HAND TOOLS』(888 ブックス刊)などがある。

 


Philippe Weisbecker Inside Japan:Carpentry Tools, Architectures, Daily Items
フィリップ・ワイズベッカーが見た日本 大工道具、たてもの、日常品

会期:2020年10月2日(金)~11月20日(金)
*日曜・祝日、10/10(土)、10/24(土)、11/7(土)休館

会場:GALLERY A4(ギャラリー エー クワッド)

住所:東京都江東区新砂1-1-1 竹中工務店東京本店1F

時間:10:00~18:00(土曜・最終日は17:00まで)

Webサイト:https://www.dougukan.jp/special_exhibition/weisbecker

 

『illustration』No.219ではフィリップ・ワイズベッカーさんを40ページにわたって特集。日本国内におけるクライアントワークを中心に、それぞれの仕事に関わった方からのコメントとあわせてご紹介します。


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