『表紙はうたう 完全版』刊行記念原画展 「和田誠さんと。」渋谷PARCOで開催中

イラストレーターの和田誠さんが40年以上にわたって描き続けた『週刊文春』の全表紙を収録した作品集、『表紙はうたう 完全版』が発売された。刊行を記念して、渋谷PARCO8Fの「ほぼ日曜日」では原画展が開催されている。会期は11月15日(日)まで。

1977年の誌面リニューアルから40年間『週刊文春』の表紙を描き続けた和田さん。2017年の2000号まで続き、いまもアンコール企画として毎週、和田さんの絵が表紙を飾っている。

今回の展覧会ではそのたくさんの表紙のなかから、貴重な原画を厳選して約40点展示。和田さんのイラストレーションの代表作である表紙絵の筆使いを、間近で見ることが出来る。

会場の様子。貴重な原画約40点を、和田さん自身の解説付きで楽しめる。

また原画の展示に加えて、三谷幸喜さん、清水ミチコさん、夢眠ねむさん、糸井重里さんの4人が選んだ「わたしの好きな表紙」のコーナーも見どころだ。選ばれた原画と共に、それぞれのセレクトの理由や和田さんとの心温まるエピソードが語られている。

さらに今回はアトリエの私物や、映画・音楽・演劇など多岐にわたる和田さんの仕事から代表作も展示。ご自身の著作を中心に集められた、和田誠さん特集の本屋さんも会場内に展開されているので、この機会に気になった作品を買い求めることも可能だ。

映画・音楽・演劇・本のジャンルに分けて、ポスターや原画が展示され、代表作を一挙に振り返ることが出来る。

和田さん愛用の画材や、袋文字で描かれたチャーミングな伝言メモも。

原画をはじめ、和田さんの仕事に幅広く触れることが出来る今回の展覧会。没後1年となるいま、改めて「和田誠さんと」、すばらしい作品の数々に出会いに、足を運んでみるのはいかがだろう。

 

<プロフィール>

わだまこと/1936年生まれ。多摩美術大学卒業後、ライトパブリシティに入社。68年からフリーランスになりグラフィックデザイナー、イラストレーターとして活躍。星新一の著作の挿絵など出版した書籍は200冊を超え、たばこ「ハイライト」のパッケージデザイン、映画『麻雀放浪記』『快盗ルビイ』の監督など、長年にわたり幅広く仕事を手がける。89年ブルーリボン監督賞、94年菊池寛賞、97年毎日デザイン賞、15年日本漫画家協会賞特別賞ほか、受賞多数。2019年10月逝去。

 


『表紙はうたう 完全版』刊行記念原画展「和田誠さんと。」

会期:2020年10月22日(木)〜11月15日(日)

会場:渋谷PARCO8階「ほぼ日曜日」

住所:東京都渋谷区宇田川町15-1

入場料:500円(小学生以下無料)

時間: 11:00~21:00

Webサイト:https://www.1101.com/hobonichiyobi/exhibition/2945.html

 

『表紙はうたう 完全版 和田誠・「週刊文春」のカヴァー・イラストレーション』(文藝春秋)

 

『イラストレーション』 No.226(玄光社)

和田誠さんを70ページにわたって特集。『週刊文春』の表紙をはじめとした代表的な仕事の紹介はもちろん、親交のあった方々からの寄稿、オマージュイラストなど盛りだくさんの内容です。

 

『定本 和田誠 時間旅行』(玄光社)

2000年に刊行された和田誠さんの作品集『時間旅行』をベースに、装丁カテゴリーや制作風景を加え、さらにこの後の20年弱の代表的な仕事を盛り込んだ増補改訂版です。4歳から82歳までの和田誠が見られる、ほかに類を見ないオールタイムベストとも言える1冊。


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