「堀内誠一展 FASHION・FANTASY・FUTURE」が立川・PLAY! MUSEUMで開催

「堀内誠一展 FASHION・FANTASY・FUTURE」メインビジュアル ©Seiichi Horiuchi

東京・立川のPLAY! MUSEUMでは、2025122日(水)から4月6日(日)まで、デザイナー、アートディレクター、絵本作家堀内誠一さんの展覧会が開催される。

雑誌『anan』や『BRUTUS』(共に平凡出版、現・マガジンハウス)のアートディレクション、絵本『ぐるんぱのようちえん』(福音館書店)の絵で知られる堀内さん。54歳という若さでこの世を去るまでに、多岐にわたる仕事を手がけた。

本展ではひとつの展覧会を「FASHION」「FANTASY」「FUTURE」という「F」を頭文字とした3つのセクションで構成。セクションごとに、有山達也さん、設計事務所imaの小林恭さん・マナさん、三宅瑠人さん・岡崎由佳さんの各組が展示空間をデザインした、3つの個性的な堀内誠一展を同時に体験できる。

 

1. 「FASHION」展

『anan』表紙(11 号、1970 年)平凡出版 ©マガジンハウス

 

『anan』中面(2 号、1970 年)平凡出版 ©マガジンハウス

「FASHION」展では、堀内さんのアートディレクター、グラフィックデザイナーとしての膨大な仕事の中から、創刊から49号までを手がけたファッション雑誌『anan』にフォーカスを当てる。

実際の雑誌を解体して再構築し、一冊の全ページを見せたり、企画や特集の魅力やユニークさ、画期性をピックアップすることで、この雑誌がめざした「ファッション」に光を当てながら、堀内さんのアートディレクションの新しさと時代を切り開いたダイナミックなパワーを浮き彫りにする。

空間デザイン:有山達也(アートディレクター、グラフィックデザイナー)

 

2. 「FANTASY」展

『ぐるんぱのようちえん』(1965年)福音館書店

 

『雪わたり』(1969年)福音館書店
『てがみのえほん』(1972年)福音館書店

物語や世界の民話、科学絵本など多岐にわたる主題を、異なる画風、画材、技法で描き分け、生涯に70冊を超える絵本を残した堀内さんは、絵本作りの中で、心に漂う世界を描く「ファンタジーのおもしろさ」を大切にしていた。

堀内さんの絵本の世界を紹介する「FANTASY」展では、数ある作品から『くろうまブランキー』『雪わたり』『ぐるんぱのようちえん』(すべて福音館書店)『オズの魔法使い』(世界文化社、のち偕成社)など、ファンタジーを色濃く感じる作品を展示。3メートルもの大きな絵本、立体のぐるんぱ、光や音の演出と共に、たくさんの絵本原画や絵本が並ぶ展示空間でファンタジーの世界に没入できる。

空間デザイン:設計事務所ima 小林恭+マナ(建築家)

 

3. 「FUTURE」展

《⻘い女性像》(1949年)
『いりふねでふね』1号(1974年)草思社
《カマルグ》(完成図版)

堀内さんは、雑誌や絵本だけでなく、絵画やリトグラフ、イラストレーション、地図、写真、ポスターや装丁のデザイン、旅行記やエッセイ、友人に宛てた絵手紙など、到底1人の仕事とは思えないほどの幅広い作品を残した。堀内さんのデザインや絵、そして言葉は、人々の心に残り、時に勇気付け、新しい創造を生み出す源泉となっている。

「FUTURE」展は、堀内さんの多彩な作品を見渡し、そこから未来へのヒントを見出し共有する場だ。堀内さんを敬愛する100人が好きな作品を推挙し、堀内さんから受け取ったものを、未来へ伝えたい言葉とともに展示する。

空間デザイン:三宅瑠人・岡崎由佳(デザイナー)

参加者の顔ぶれ:秋川リサ(俳優)、鹿児島睦(陶芸家)、佐野史郎(俳優、映画監督)、スズキコージ(絵本作家)、都築響一(編集者)、名久井直子(ブックデザイナー)、松浦弥太郎(エッセイスト)ほか。

 

また会期中、PLAY! CAFEは堀内さんが手がけた絵本や雑誌に加え、堀内さんが愛した世界のイラストレーターたちの絵本を集めたブックカフェに変身。絵本の世界観を楽しめるオリジナルメニューや、展覧会オリジナルグッズにも注目したい。

3つのセクションをとおして、これまでにない新たな視点と体験から、堀内さんの膨大な仕事に触れられる本展。堀内さんの残した作品から、きっと未来につながるヒントや希望を受け取ることができるだろう。

 

〈プロフィール〉

堀内誠一/1932年東京に生まれる。デザイナー、アートディレクター、絵本作家。『anan』や『BRUTUS』、『POPEYE』など雑誌のロゴマーク、『anan』においては創刊時のコンセプト作りやアートディレクションを手がけ、ヴィジュアル雑誌の黄金時代を築いた。1958年に初の絵本『くろうまブランキー』 の刊行を皮切りに『たろうのおでかけ』『ぐるんぱのようちえん』『こすずめのぼうけん』など70冊を超える絵本を世に送り出し、挿絵も数多く描いた。1973年から81年にかけて家族と共にパリ近郊に移住。ヨーロッパを中心に世界を巡り、旅行記やガイド本を出版。また著書に『父の時代 私の時代』(マガジンハウス)、編著書に『絵本の世界・110人のイラストレーター』(福音館書店)など著述家、絵本批評家としても活動、多彩な表現に意欲的に取り組んだ。1987年、54歳で亡くなるまで絵本やデザインの仕事に従事した。

有山達也/1966年埼玉県生まれ。中垣デザイン事務所を経て、93年アリヤマデザインストア設立。文芸書から料理本、写真集、漫画など、さまざまなジャンルのエディトリアルデザインを手がける。2002年に『anan』増刊としてスタートした『ku:nel』創刊から2015年の75号までADをつとめた。

設計事務所ima 小林恭+マナ/建築、デザイン、アートの勉強のため半年間のヨーロッパ旅行で17カ国70都市を巡り、帰国後1998年に設計事務所ima(イマ)を共同で設立。「marimekko」や「LAPUAN KANKURIT」、「IL BISONTE」などの店舗デザインや、プロダクトデザイン、個人住宅など、幅広く空間デザインを手がけるほか、展覧会の空間デザインや、インスタレーションの分野でも活躍。

三宅瑠人・岡崎由佳/三宅瑠人は東京藝術大学卒業後、海外の古い図鑑に影響を受けたイラストレーションで国内外のファッションブランドや書籍など幅広い分野で活動。同時にグラフィックデザイナーとして多くのレコードジャケットやロゴデザインなどを手がける。岡崎由佳はアートディレクターとして日本デザインセンターでブランディングや展覧会デザインを担当し、2022年に独立。共同で手がけた仕事として、NHK「虎に翼」ロゴ・メインビジュアルデザイン、PLAY! MUSEUM「エルマーのぼうけん展」など。

 


「堀内誠一展 FASHION・FANTASY・FUTURE」

会場:PLAY! MUSEUM

〒190-0014 東京都立川市緑町3−1 GREENSPRINGS W3棟 2F

TEL:042-518-9625

会期:2025年1月22日(水)~2025年4月6日(日)

休館日:2025年2月16日(日)

会館時間:10:00〜17:00 *土日祝は18:00まで/入場は閉館の30分前まで

入場料:一般1,800円、大学生1,200円、高校生1,000円、中・小学生600円

当日券で入場できます。土日祝および混雑が予想される日は事前決済の日付指定券(オンラインチケット)を販売します。

 

割引制度(併用不可)

①[立川割]一般 1,200円 / 大学生700円 / 高校生600円 / 中学生400円 / 小学生以下無料

*立川市在住・在学を確認できる免許証、学生証等をご提示ください

②[障害者割引]障害者手帳をご提示の方とその介添人1名は半額

③[相互割引]「一般」で入場の方は、同日PLAY! PARK を200円引きで利用できます

チケット情報に関してはこちらをご覧ください

 

公式Webサイト:https://play2020.jp/article/seiichi_horiuchi


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