動物たちの未来を照らす「動物チャリティ」に取り組むイベント&作家をピックアップ

暮らしの中で「保護犬」「保護猫」といったワードを耳にする機会が格段に増えた昨今。動物愛護の観点などから保護動物に対する認知は近年急速に拡大し、里親募集のイベントやテレビ番組の特集なども増えてきている。

その一方で、コロナ下におけるペット需要の拡大と、飼育し始めたものの飼いきれないと動物たちを手放す人の多さが問題になったのも記憶に新しい。

そんな動物たちの保護活動は、現状、そのほとんどが有志のボランティアの人々に支えられている。本記事では、ギャラリーやクリエイターが取り組む“動物の保護活動をする人々”を支援する「動物チャリティ」の活動を、3つピックアップして紹介する。

 


「CAT POWER 2022」

ギャラリー ルモンド(東京・原宿)で毎夏※開催されているチャリティイベント「CAT POWER 2022」。代表の田嶋吉信さんが「地域猫」の存在を知ったことをきっかけに2015年発足、動物の殺処分をなくしたいという方針に賛同したクリエイターが集い、描き下ろされたイラストレーションの展示やオリジナルグッズの販売を行っている。同展では売上の30%がランコントレ・ミグノンへの寄付に充てられる。

SUZURIの特設サイトでは、Twitter連動のプレゼントキャンペーンも実施中。今年の参加クリエイターは54人。会場には所狭しと原画が並び、見ごたえも充分だ。それぞれのクリエイターの「猫観」を垣間見ることが出来る同展の会期は8月7日(日)まで。この週末に、ぜひ足を運びたい。

※2020年は新型コロナ感染症の影響により中止

ギャラリールモンド公式サイト

SUZURI特設サイト

 

ギャラリールモンド

住所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6-32-5 ドルミ原宿201

営業時間:12:00〜20:00(日曜日は〜17:00)※月曜休廊

TEL:03-6433-5699

Twitter:@galerie_lemonde

 


谷小夏さん

「癒しをくれる動物たちに何かお返しを」という思いから2019年よりチャリティイラストを制作開始し、現在までに130枚以上を販売しているイラストレーターの谷小夏さん。斬新な色使いと不思議なリズムを感じさせる構図が目を惹くが、注目ポイントはやはり登場する動物たち。彼らが谷さんの絵の世界観をより一層幻想的で、奥深いものにしている。

チャリティイラストはまとまった枚数を不定期で更新し、原価・手数料を除く全額相当を日本アニマルトラスト ハッピーハウスへの寄付に充てている。STORESではチャリティイラストのほかにも、作品集や原画、リソグラフなど、数多くの作品が購入可能。

また、9月1日(木)〜9月30日(金)には梅田 蔦屋書店(大阪)で個展も開催される。谷さんの創り出す不思議な世界観を覗いてみてはいかがだろうか。

チャリティイラスト一覧【STORES】

 

谷小夏 Tani Konatsu

1993年大阪府生まれ。 2016年京都精華大学デザイン学部イラストコース卒業。

Instagram@tani_konatsu

Twitter@konatsu_e

 


花岡央さん

ガラス作家の花岡央(はなおか・ひろい)さんは、俳優・石田ゆり子さんが取り組む動物チャリティの活動をきっかけに、2021年よりガラスオブジェ「Dog(レトリバー)」を寄付商品へと切り替えた。デフォルメされつつも特徴を的確に捉えたフォルムと、動物の毛並みを思わせる絶妙な色合いで人気を集めている。

7月30日(土)よりCloth&Cross(クロスアンドクロス/東京・自由が丘)で開催された個展には、ガラスのうつわやレトリバーたちと共に、半年以上をかけて完成した新作「Cat」も並んだ。また、Cloth&Cross別注の「Dog(トイプードル)」も数量限定で受注を受け付けている(店頭受付のみ)。

現在、動物シリーズの作品の売り上げの一部はハナコプロジェクトへの寄付に充てられているが、今後は他団体への寄付も併せて検討中とのこと。

動物シリーズは今後も個展や企画展の一部に出品予定。1匹ずつ体格も表情も違っているので、ぜひ実際に手に取って見比べたい。

 

花岡央 Hanaoka Hiroi

1982年岡山県生まれ。2013年に吹きガラス工房「HIROY GLASS STUDIO(ヒロイグラススタジオ)」を設立し制作を開始。

ヒロイグラススタジオ

Instagram@hiroyglass

 


支援のオンライン化が進み、1人ひとりがより気軽に参加しやすい状況が出来つつある近年、個人でもさまざまな支援活動を行うクリエイターが増えてきている体感がある。

改善したい問題・助けたいものに対してアクションを起こすことは容易ではないからこそ、このような活動が広く知られ、続いていくこと自体に意義があるはずである。今回はその一環として「動物チャリティ」をピックアップした。

何より、動物への愛情のこもったこれらの作品は、見る者を惹き付ける引力を持っている。動物を愛する多くの人に、ぜひ実際に手に取ってみて欲しい。そうすれば、きっと自然と頬が緩んでしまうに違いない。


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