アートディレクター・グラフィックデザイナーの森敬太さんによる審査が、2024年10月30日に行われました。応募者は約210名、応募点数はおよそ800点です。審査の様子と結果をレポートします。
森さんは、セキネシンイチ制作室を経て2017年に合同会社飛ぶ教室を設立。ブックデザインを中心に活動されています。
これまでに手がけた書籍はどれも新鮮で唯一無二のデザインのものばかり。『本を読んだことがない32歳がはじめて本を読む』(かまど、みくのしん 著/大和書房)、『倫理的なサイコパス ある精神科医の思索』(尾久守侑 著/晶文社)など、イラストレーターとの仕事は多い印象がありますが、意外にもコンペの審査員を務めるのは今回が初めてだといいます。
森さんのもとに、全国からさまざま作風の作品が集まりました。
早速1次審査がスタート。まずは800点全てに目を通し、2次審査に残すものを決めていきます。初めは目の前に並ぶ作品数にやや驚いているようでしたが、審査が始まると迷うことなく判断を下していきました。1次審査ではひと目見た時の印象を大切にしていたそうです。時折「かっこいい」と感嘆して手を止め、作品裏に記載されたプロフィール情報をチェックする場面も。日頃からコンペの結果や年鑑、SNSなどを見てイラストレーターを探しているそう。
続いて2次審査に進んだのは応募者の約半分の100名。1次と比べてより絵の詳細を見ている様子ですが、審査のスピードは変わりません。次々と素早い判断を下していきます。すでに仕事をしているのか、過去にコンペで入選したことがあるのか。そのあたりも気にしながら、新人にもチャンスがもたらされるよう慎重に審査を進めていました。
最終審査に残ったのは約30名。いよいよ入選、準入選が決まります。1次、2次審査ではスタッフも驚くほどのスピードで審査を進めた森さんでしたが、ここでは少し判断に悩んでいるようでした。ザ・チョイスでは複数作を応募する方も多いため、応募者ごとにベスト1を選び、その中から入選作を決めていきました。会場を何周も歩き、さまざまな角度から作品を見る森さん。タイトル、プロフィール、画材や支持体も念入りに確認します。「入選」「準入選」の札が置かれ、審査が終了しました。
素早くも慎重な審査をしてくださった森さんは、どんな作品をチョイスしたのでしょうか。詳しい審査評と気になる入選作品は、2025年1月18日発売の『illustration』No.245に掲載されます。 審査結果は、以下のとおりです。
〈入選〉
●kaho(北海道)●ミッキーオーソラン(栃木県)● R62(千葉県)●いそ、植田馨介、大澤フロム、出口瀬々、ナカガワコウタ、ユキオ“K”ソリッド(東京都)●カノウミナコ(神奈川県)
〈準入選〉
● fechukel、ヌイピク、牧角春那(東京都)●サチ31(滋賀県)● PANAMANICO(京都府)● kimuchoco(大阪府)
〈最終選考まで残った方々〉
りょーたろ(千葉県)、フミコ、 Ann O、しまはらゆうき、 cactus_、 田辺俊輔、小林ひな、 fluorite room 、マナベレオ、加藤千歳、 Tekawa Hikaru (東京都)、 YASUDA Marcy、よそ町、鹿野里美、紙谷俊平、米澤真子(神奈川県)、 minao(京都府)