【展覧会レポート】史上初のオバケ万博「オバケ?」展がスタート!

古今東西、さまざまな呼び名で存在してきたオバケ。その名を聞いただけでワクワクするマジックワード「オバケ」を、規格外のクリエーションで楽しみ尽くす展覧会「オバケ?」展が東京・立川のPLAY! MUSEUMでスタートした。会期は9月29日(日)まで。

 

本展は、私たちの好奇心をくすぐる摩訶不思議な存在である「オバケ」をテーマとした、オバケを見て、感じて、知って、そしてなってみる展覧会だ。

入り口はすでに怪しい雰囲気が漂う。子どもだけの秘密の場所「オバケ工場」で何が行われているかは、大人は知ることが出来ないようだ……。また入場前に、もしも自分はオバケであるという自覚のある方がいれば、ぜひ「オバケカウンター」へ立ち寄ってみて欲しい。「私、実はオバケなんです」と自己申告すると、ちょっとうれしいプレゼントがもらえるとのこと。

 

会場を入ると、まずはオバケを見て、感じる、背筋のひんやりするコーナーが登場。ウチダゴウさんの詩と、ザ・キャビンカンパニーさんの絵で、ホラーな気分になったら「普通に怖いオバケ屋敷」がお待ちかね。

風にそよぐ柳、水をたたえた井戸、開きかけの古い箪笥……いまにも何かが起きそうな怖いオバケ屋敷を抜けると、うれしい出会いが。「会いたいオバケ」として、バーバパパが登場。柔らかそうなピンク色の身体が自由自在に姿を変え、かわいらしい洒落た顔があちこちに現れる。

でも、オバケはやっぱり怖いもの。オバケ落語「ねないこだれだ」では、春風亭一之輔さんが「会いたくないオバケ」のお話を朗読する。楽しいオバケとのふれあいからは一転、「本当に絵本だろうか?」と思うようなおどろおどろしい語りに、大人も子どもも来たことを後悔するかもしれないので要注意。

世界各国のお墓がずらりと並ぶ不気味な通路を抜けるとまた怪しげな、半透明の白いカーテンに囲まれた空間が登場する。ここは「オバケ研究所」だ。ここでは、大島依提亜さん、川内倫子さん、くどうれいんさん、柴田元幸さん、矢部太郎さんら、10人のオバケ研究員が成果を披露する。

Allright Graphicsさんによる、日常に潜むオバケたちをこっそりと集めた成果は、ひょっとしたらあれもこれもオバケかも? と日常に潜むオバケを見つけるヒントを与えてくれる。

さらに、今回オバケ研究所特別研究員に就任した2名よる、オバケについてもっと知ることの出来るコーナーにも注目したい。

特別研究員の1人でオバケ研究の第一人者・安村敏信さんは、オバケと妖怪、幽霊はどう違うのか、日本美術に「会いたいオバケ」と「会いたくないオバケ」はどう描かれてきたかを、今日の漫画やアニメも含めて壮大な論を展開する。

もう一方の特別研究員で絵本研究家の広松由希子さんは、古今東西のオバケ絵本を500冊選書し展示。王道のオバケ絵本から、翻訳されていない海外の貴重な絵本などがずらりと並ぶ。一部の絵本はその場で読むことも出来るので、国や文化の違いによって千差万別の「オバケ」の表現を比べてみて欲しい。また、『ねないこだれだ』(作・絵:せなけいこ/福音館書店)などの原画作品も特別に展示されている。

谷川俊太郎さん(詩人)と谷川賢作さん(音楽家)の親子が贈るオバケ音楽「けいとのたま」や、加藤久仁生さん(アニメーション作家)の新作オバケ・アニメーションでは、新鮮なオバケを体験出来るほか、堀道弘さんによる「オバケマンガ」では、クスリと笑えておばけ豆知識が付くこと間違いなし。

最後には、疲れた体を癒す「オバケ湯」はいかがだろう。オバケ湯とは、番頭を祖父江慎さんが務める水が苦手なオバケも入れる「カワキミズ」のお風呂。入り口ののれんの影を見ると、オバケの影がゆらゆら……。中に入ってよく見ると、大きな富士山の絵や説明もどこかが変……?

展示を堪能した後は賑やかなグッズコーナーも要チェック! 「オバケ研究所」のイラストレーションを担当した平山昌尚さんのステッカーやキーホルダー、そして「オバケ湯」を満喫出来るロッカーキーやタオルもずらり。ネットに入れられ異彩を放つ「オバケ湯のもと」も、思わず手に取ってみたくなる存在感だ。お水嫌いのオバケたちの入浴を叶える「カワキミズ」が、お持ち帰りサイズに。今日オバケになったあなたも、ご自宅でオバケのお風呂に入ってみてはいかがだろうか……。

『ねないこだれだ』や『バーバパパ』の賑やかなグッズたちは、Tシャツやぬいぐるみをはじめとして、ハンカチや文房具といった大人向けのものから、お弁当箱やプラコップなど小さなお子様もたくさん使えるものまで幅広い品揃え。暗闇に光るオバケを投影出来るライトキーホルダーも心くすぐられるかわいさ。どのオバケを連れて帰るか悩みながら見て回るのも楽しいはず。

さらに、カフェでは『ねないこだれだ』『バーバパパ』の限定メニューが展開。オバケのマシュマロが乗ったひんやり冷たいパフェや、バーバパパがひょっこり顔を出すカラフルなシチューライスなど、見て、食べてうれしいメニューが盛りだくさん。展示を遊び尽くした後は、ワクワクするかわいらしいメニューもぜひ味わって欲しい。

夏の暑さも吹き飛ぶ怖~いオバケの展覧会。誰もが知っていてその正体は分からない、不思議なその存在について、探ってみてはいかがだろうか。

 


オバケ?展

会場:PLAY! MUSEUM

〒190-0014 東京都立川市緑町3−1 GREENSPRINGS W3棟 2F

TEL:042-518-9625

会期:2024年7月13日(土)~2024年9月29日(日)

会館時間:10:00〜18:00 *入場は17:30まで

入場料:一般1,800円、大学生1,200円、高校生1,000円、中・小学生600円

*夏休み特別企画として小学生以下は入場無料

 

割引制度(併用不可)

①[立川割]一般 1,200円 / 大学生700円 / 高校生600円 / 中学生400円 / 小学生以下無料

*立川市在住・在学を確認できる免許証、学生証等をご提示ください

②[障害者割引]障害者手帳をご提示の方とその介添人1名は半額

③[相互割引]「一般」で入場の方は、同日PLAY! PARK を200円引きで利用できます

チケット情報に関してはこちらをご覧ください

 

 


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