誕生50周年記念！「誕生50周年ねずみくんのチョッキ展なかえよしを・上野紀子想像力のおくりもの」が、松屋銀座イベントスクエアで開催

1974年の刊行以来、世代を超えて愛されてきた絵本『ねずみくんのチョッキ』（ポプラ社）。誕生50周年の節目を記念して、「誕生50周年　ねずみくんのチョッキ展　なかえよしを・上野紀子想像力のおくりもの」が、松屋銀座８階イベントスクエアで開催される。会期は５月22日（水）～６月３日（月）まで。

鉛筆で描かれる動物たちと最小限の文章、そして余白を生かした美しい構図が魅力の『ねずみくんのチョッキ』は、作家・なかえよしをさんと画家・上野紀子さん夫妻の共同作業によって生まれた。累計発行部数は490万部を超え、現在40巻まで続く「ねずみくん」シリーズは、今年で誕生から50周年。赤いチョッキを着た小さな主人公・ねずみくんは、世代を超えて多くの人の記憶の中にちょこんと佇んでいるのではないだろうか。

同展では、５月10日（金）に発売される最新作『ねずみくんからのおくりもの』（ポプラ社）を含む「ねずみくん」シリーズ全作品の中から、選りすぐりの名場面の原画やスケッチを展示。また、なかえさんが構想し上野さんが描くシュルレアリスムの油絵「少女チコ」シリーズの作品や、２人の絵本作りの原点である『ペラペラの世界』の原画など、約200点が一堂に会する。

会場入り口では、ねずみくんとねみちゃんの立体オブジェが出迎えてくれ、２匹と一緒に写真を撮ることが出来る。そのほかにも様々なフォトスポットが用意されており、絵本の登場人物の一員になったような気分になれるはず。さらに、オリジナルの１冊を作れる絵本『ねずみくんもういいかい』を会場限定で発売。なかえさんが展覧会のために書き下ろした新作で、会場内を回り、かくれんぼをしている動物たちを見付けてスタンプを集めることで完成する。

作品以外にも、愛用品の数々や所蔵の画集・作品集が展示されるほか、なかえよしをさんのインタビューを紹介。なかえさんと上野さんが二人三脚で作り上げた豊かな作品世界の中で、夫妻が追求してきた「想像すること」への取り組みに迫る貴重な機会となる。

半世紀にわたり、多くの人の心を捉え、愛されてきたねずみくんとその仲間たち。シンプルな言葉と絵で描かれる彼らの世界を覗きに、会場へ足を運んでみてはいかがだろうか。

なかえよしをさんからのコメント

ねずみくんの絵本も年をかさねました。

今は、明るくカラフルで派手で目立つほうが、人目を引いていいようです。

でも、ねずみくんははずかしがりやで、気が小さいので、

なるべく目立たないところのほうが心地よいようです。

ですからねずみくんの絵本は、これまでずっと、絵も文字も少なくして、

余白だらけのシンプルな画面です。

それでも、その小さな絵本の中を、ねずみくんは毎日幸せにかけ回っています。　ねみちゃんと。

なかえよしを

〈プロフィール〉

なかえ・よしを／1940年兵庫県生まれ。日本大学芸術学部美術卒業後、広告会社のデザイナーを経て絵本作家に。

うえの・のりこ／1940年埼玉県生まれ。日本大学芸術学部美術卒業後、イラストレーターを経て、絵本作家に。2019年2月逝去。

＊なかえさんと上野さんは大学時代に出会い、1966年に結婚。1973年、アメリカのハーパー・アンド・ロー社から『ELEPHANT　BUTTONS』を出版。1974年、『ねずみくんのチョッキ』をポプラ社から刊行し、1975年、同作品で第６回講談社出版文化賞絵本賞を受賞。現在も「ねずみくんの絵本」シリーズの刊行が続いている。『いたずらララちゃん』で第10回絵本にっぽん賞受賞。2005年、それまでの業績により巌谷小波文芸賞を受賞。2020年、なかえさんが日本児童文芸家協会選定の児童文化功労賞を受賞。２人が共作した作品は、200冊以上にのぼる。