「安西水丸展 村上春樹との仕事から」が早稲田大学国際文学館で開催 11月17日から

『象工場のハッピーエンド』(CBS・ソニー出版/新潮文庫)、『ランゲルハンス島の午後』(光文社/新潮文庫)、『ふわふわ』(講談社)など、これまで共に多くの書籍や絵本を世に送り出し、“名コンビ”として知られる村上春樹さんと安西水丸さん。それらの作品のために安西さんが描いた貴重な原画を公開する展覧会「安西水丸展 村上春樹との仕事から」が、早稲田大学国際文学館(村上春樹ライブラリー)で開催される。会期は2023年11月17日(金)から2024年4月9日(火)まで。

会場となる早稲田大学国際文学館では、安西さんのご遺族からの寄贈により、村上春樹さんとの仕事で制作された700点あまりの原画を収蔵。本展では、それらの貴重な資料の中からセレクトされた約100点の原画が収蔵後初公開される。

展示される原画は、2人の共著でもある『象工場のハッピーエンド』、『村上朝日堂』シリーズ、『ランゲルハンス島の午後』、『日出る国の工場』(平凡社/新潮文庫)、『夜のくもざる』(平凡社/新潮文庫)、『ふわふわ』、『村上かるた うさぎおいしーフランス人』(文藝春秋)など。また、仕事の絵だけにとどまらず、安西さんの幼少期の頃の作品、創作の源ともなったスノードームやブルーウィローの食器、民芸品などのコレクションも紹介される予定だ。

『夜のくもざる』原画 (平凡社、1995 年/新潮文庫、1998 年)
『ふわふわ』原画 (講談社、1998 年)

軽妙洒脱で、どこまでも自然体な安西さんのイラストレーション。特に、安西さんの絵と村上さんの文章が寄り添い、作り上げられた唯一無二の世界観に魅了された人も多いだろう。シンプルな線に豊かな奥行きを感じさせ、いまも変わらず愛され続ける安西さんの印象深い作品を、たっぷりと味わえるまたとない機会にぜひ足を運びたい。

『ランゲルハンス島の午後』原画 (光文社、1986 年 / 新潮文庫、1990 年) ※1ページ目掲載

 

 

〈プロフィール〉

安西水丸(あんざい・みずまる)/1942年東京生まれ。東京生まれ。イラストレーター。日本大学芸術学部美術学科造形コース卒業。電通、ADAC(ニューヨ ークのデザインスタジオ)、平凡社でアートディレクターを務めた後、フリーのイラストレー タ ーに。広告、雑誌の表紙や挿絵、書籍の装画ほかで活躍のかたわら、小説、エッセイ、漫画、絵本などの自著も多く手がけ、いまなお高い人気を博している。朝日広告賞、毎日広告賞、1987年日本グラフィック展年間作家優秀賞、1988 年キネマ旬報読者賞など受賞多数。2014年3月19日逝去。

 


早稲田大学国際文学館 収蔵企画「安西水丸展 村上春樹との仕事から」

会期:2023年11月17日(金)~2024年4月9日(火)

開館時間:10:00〜17:00

休館日:毎週水曜日ほか *詳細は早稲田大学国際文学館ウェブサイトでご確認ください。

入場料:無料

会場:早稲田大学国際文学館(村上春樹ライブラリー) 2 階展示室ほか

住所:〒169-8050 東京都新宿区西早稲田 1-6-1

主催:早稲田大学国際文学館

協力:安西水丸事務所

ウェブ:https://www.waseda.jp/culture/wihl

 

 

『イラストレーション』No.239は、約70ページにわたり、村上春樹さん著作の「装丁」を特集。安西水丸さんとの仕事もたっぷりと紹介しています。


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