20世紀アメリカの市民生活を描き、いまなお絶大な人気を誇る画家ノーマン・ロックウェル。彼の手がけた雑誌のカバー画をまとめた書籍『ノーマン・ロックウェル カバー画集 『サタデー・イブニング・ポスト』誌の時代』(玄光社)が刊行された。
ロックウェルは1910年、イラストレーターとしてキャリアをスタートさせる。その後、彼は1916年からおよそ40年にわたって、アメリカの中間層の間で大きな影響力のあった雑誌『サタデー・イブニング・ポスト』のカバー画を描き続けた。本書では、その全カバー画に他雑誌でのカバー画を一部加え、合計332枚を全面カラー版で収録する。
また巻末には、著者であるクリストファー・フィンチ氏による解説を掲載。カバー画1枚1枚に対して、作品の背景や技法が紹介されている。描かれている人物や物語を知れば、ロックウェルの世界の奥深さをより深く味わうことが出来る。
圧倒的なデッサン力、生き生きとした手の表情、豊富で洗練された色彩、そして分かりやすい構図と物語性。細密な描写テクニックとユーモアを感じる作品群は、いまなお古びることのない名作ばかり。多くのイラストレーターに影響を与えたノーマン・ロックウェルの決定版とも言える画集を、ぜひ手に取ってみてはいかがだろうか。