没後20年 まるごと馬場のぼる展 描いた つくった 楽しんだ ニャゴ! 練馬区立美術館で開催中 9月12日(日)まで

『11ぴきのねことあほうどり』こぐま社、1972年刊 印刷原稿 特色刷り校正用リトグラフ・紙 こぐま社蔵

絵本「11ぴきのねこ」シリーズで知られる漫画家・馬場のぼるさんを、さまざまな側面から紹介する展覧会「没後20年 まるごと馬場のぼる展 描いた つくった 楽しんだ ニャゴ!」が練馬区立美術館で開催されている。会期は9月12日(日)まで。

馬場さんは青森県三戸町に生まれ、1949年漫画家を目指して上京。1950年には少年誌でいち早く連載漫画を手がけ、手塚治虫さん、福井英一さんとともに「児童漫画界の三羽ガラス」と呼ばれ人気を博した。

「ブウタン」『幼年ブック』集英社、1954年掲載漫画原稿 墨、水彩等・紙 こぐま社

しかし児童漫画界の主流が活劇モノに変化し始めると、ブームにずれを感じ、大人向けの漫画雑誌に連載しながら、徐々に絵本の世界に活動の場を移していく。1967年に刊行された『11ぴきのねこ』(こぐま社)はロングセラーとなり、現在まで絵本のみならずキャラクターグッズや人形劇などさまざまな媒体を通し、世代を超えて愛されている。

『11ぴきのねことぶた』こぐま社、1976年刊 印刷原稿 特色刷り校正用リトグラフ・紙 こぐま社蔵
『11ぴきのねことあほうどり』こぐま社、1972年刊 ラフスケッチ ボールペン、色鉛筆・紙 こぐま社蔵
『ぶたたぬききつねねこ』こぐま社、1978年刊 原画 墨、水彩・紙 こぐま社蔵

また馬場さんは1952年から亡くなるまで約50年間練馬区に居住した、地域ゆかりの作家でもある。自宅には膨大な日記やスケッチブックが残されており、これら資料の中からは、街で見かけた人々や庭の花、新作のアイディアなど、日々の視点や試行錯誤の跡が垣間見られるという。

本展では、絵本や漫画の仕事を紹介するとともに、50年分のスケッチブックや、自身の楽しみのために制作した絵画、立体作品、また交友関係なども展示。馬場さんにまるごと焦点を当て、その軌跡をたどる。いよいよ会期終盤となった貴重な展示をどうぞお見逃しなく。

スケッチブック 2001年 水彩、インク・紙 こぐま社蔵
『ぶどう畑のアオさん』こぐま社、2001年刊 原画 水彩、墨・紙 こぐま社蔵

 


没後20年 まるごと馬場のぼる展 描いた つくった 楽しんだ ニャゴ!

会期: 2021年7月25日(日)~9月12日(日)

休館: 月曜日 *ただし8月9日(月・休)は開館、8月10日(火)は休館

時間: 10:00〜18:00 *入館17:30まで

会場: 練馬区立美術館

住所: 東京都練馬区貫井1-36-16

入場料:一般 1,000円/高校・大学生・65〜74歳 800円/中学生以下・75歳以上 無料

*その他各種割引制度あり
*一般以外の方(無料・割引対象者)は、年齢等が確認できるものをお持ち下さい。

公式Webサイト: https://neribun.or.jp/event/detail_m.cgi?id=202104211619004534


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