第231回ザ・チョイス 一乗ひかるさんの審査レポート

イラストレーターの一乗ひかるさんによる審査が、2024年5月15日に行われました。応募者は約200名、応募点数はおよそ800点です。その審査の様子と結果をレポートします。

一乗さんは、グラフィカルで洗練された印象的な人物を描き、「NIKE BY YOKOHAMA」の店舗アートワークをはじめ、広告や装画などさまざまなジャンルの仕事に取り組んでいます。イラストレーターとして第一線で活躍中の一乗さんがイラストレーションの審査を務めるのは、コピックアワードに続き今回が2度目。ザ・チョイスの審査はもちろん初めてです。最初から最後まで1人で審査を行うザ・チョイスで、一乗さんが選ぶのはどのような作品なのでしょうか。

まず始まった1次審査では、目の前に置かれる作品に目をとおし「残すもの」と「そうでないもの」に分けていきます。序盤は基本的に「残すもの」にしていた一乗さんですが、後半になるにつれ、少しずつ判断基準が定まってきたようで「そうでないもの」の数も増えていきます。スピーディーに判断を続け、この段階では3分の2以上の応募者が次の審査へと駒を進めました。

休憩を挟んだ後に始まった2次審査では、1次審査よりも厳しめに候補作を絞っていきます。ここでは、気になる作品があると手が止め、作品裏面のプロフィールやタイトルなどを確認。また「残すもの」と「そうでないもの」の間に、「保留」という新たなカテゴリを設けるなど、1つひとつの作品に真剣に向き合い丁寧に審査を進めました。ここまでで残った候補者は50名弱です。

いよいよ、作品をすべて机の上に並べての最終審査です。まずは、初めから心に決めていた作品に「入選」の札を置いていきます。最初の数名は迷いなく決まったものの、その後の決定には考えこむ場面も見られ、今回のザ・チョイスで最も時間をかけました。広い机の前を行ったり来たりしながら、作品1点1点を改めて吟味した後に、悩みながら入選者10名を決定。続いて、「準入選」6名も同様のやり方で慎重に決めていきました。最後に「最終選考まで残った方々」として名前が発表される応募者についても、手を抜くことなく検討し、一乗さんの初めてのザ・チョイス審査が無事に終わりました。

審査後には「楽しかったです」と笑顔で話してくれた一乗さん。審査の感想をお聞きしてみると、「作風が作品ごとにばらばらよりも統一されていた方が、作者が何をやりたいのかが伝わってくるな、と思いました」と教えてくれました。一乗さんの詳しい審査評と気になる入選作品は、2024年7月18日発売の『illustration』No.243に掲載されます。 審査結果は、以下のとおりです。

 

〈入選〉

阿部一太、いのうえはるな、ono haru、杉本優弥、SEIICHI、せいのみわお、堀井美沙子(東京都)井澤june、米澤真子(神奈川県)●AKO(広島県)

〈準入選〉

西本未祐(北海道)●Ann O、宇都宮なお、SHIROMI、辻本大樹、渡邉ありさ(東京都)

〈最終選考まで残った方々〉入夏七海(岩手県)CHIZURI(埼玉県)いそ、おふみ、KOZUE、長谷川一葉、Plastulo、横田恵莉奈(東京都)カノウミナコ、佐久間亮(神奈川県)澤田久奈(福井県)真横(愛知県)DORY(滋賀県)おおうちひなこ、辻本そう(大阪府)マルミミネコ(岡山県)KAnaMi(福岡県)