アーティストのシシヤマザキさんによる審査が、2023年2月8日に行われました。応募者は約200名、応募点数はおよそ800点です。その審査の様子と結果をレポートします。
水彩画風の手描きロストスコープアニメーションという独自の表現方法を確立し、さまざまな大型クライアントの仕事を手がけるシシさん。近年は栃木県益子町に拠点を移し、陶芸作品にも取り組むなど活動の幅を広げています。また、オンラインコミュニティ「シシヤマザキのお絵かき教室」をとおして、普段からさまざまな背景を持つ方々の作品を見られているそうです。今回も、アーティストとして早くから第一線で活躍するシシさんに作品を見てもらおうと、たくさんの作品が届きました。
審査をスタートする前に、まずは30分ほどかけて全作品に目をとおしたシシさん。その作業でご自身の中の基準が明確になったのか、続けて始まった1次審査では、軽やかなリズムで「キープするもの」と「残さないもの」を判断していきます。ここでは、応募者の3分の2程度が次の審査へと駒を進めました。
2次審査では真剣な表情でさらにセレクトを進め、1次審査から候補を半数に。さらに3次審査として、残った作品にもう一度目をとおし、候補を40名程度に絞りました。
次は、机の上に残った作品をすべて並べて、入選、準入選を決定していきます。まずは賞に入りそうだと感じた作品を慎重に選び、いったん机の上から外していきます。この選考の際には、一度「風景」「人物」などモチーフごとに作品を集めて比較検討し、悩みながら選ぶ姿が印象的でした。そこからさらに候補者を数名絞った後は、先ほど脇に置いておいた作品を再び机の上に戻し、入選10名、準入選6名を時間をかけて決定。それぞれの掲載作品や、「最終選考に残った方々」として誌面やウェブに名前が掲載される応募者についても、最後までこだわって選び抜きました。
3時間超の審査でしたが、集中力を切らさず、1つ1つの判断に都度頭を悩ませながら、真剣に選考を進めていたシシさん。その姿勢からは、絵に対する真摯な愛情が伝わってくるようでした。果たして、シシさんはどのような作品をチョイスしたのでしょうか。
詳しい審査評、そして気になる今回の入選作品は、2023年4月18日発売の『illustration』No.238に掲載いたします。 審査結果は、以下のとおりです。
〈入選〉
●折江朋華(埼玉県)●森本友(千葉県)●あかいあやこ、VVIN、木川田みり、SEIICHI、田渕正敏、マナベレオ(東京都)●真悠子(神奈川県)●友野可奈子(静岡県)
〈準入選〉
●星壺寒、ユキオ“K”ソリッド(東京都)●川村奏太(神奈川県)●南景太(岐阜県)●夜中つか(愛知県)●たまご(高知県)
〈最終選考まで残った方々〉
森田はぐみ(埼玉県)あっぴ、嶋谷珠莉、三田圭介(東京都)rain(山梨県)