アートディレクター・グラフィックデザイナーの上西祐理さんによる審査が、2023年5月17日に行われました。応募者は約200名、応募点数はおよそ800点です。その審査の様子と結果をレポートします。
電通から独立した後、2021年にデザインスタジオ「北極」を立ち上げた上西さん。電通時代からこれまでに手がけた仕事は、ポスター、ロゴをはじめ、ブランディングやキャンペーン、映像、空間、書籍、雑誌など、多岐にわたります。ジャンルを問わず幅広く活躍する上西さんに見てもらおうと、全国各地から多様な作品が集まりました。
1次審査では、全応募作に目をとおして「残すもの」と「残さないもの」を判断していきます。目の前に置かれた作品を、軽やかにジャッジしていく上西さん。スピーディーな選考でしたが、合間には「これ好きです」「あの挿絵に合いそう」など、楽しそうにコメントする場面もありました。40分ほどですべての作品を見終え、応募者の3分の2が次の審査に進みます。
休憩を挟んで始まった2次審査では、「少しでも悩んだら残す」と決めていた1次審査よりも、一段基準を上げて選考していきます。1次審査同様、ジャッジは短時間で行われましたが、何点かは「残さない」と決めた後に「やっぱり残します」と少し迷う様子も。ここで候補を半分以下に絞り、およそ40名が次の審査に駒を進めました。
最後に、残った作品を机の上に乗せ、見比べながら選考していきます。まずは全体をひととおり見渡して、1点ずつ候補を絞り、最終選考者として名前が掲載される方が決まりました。続いて、すでに心に決めていたと思われる作品から順に入選10名、準入選6名を仮決定。その後再度作品を眺めて、入れ替えを行うかどうかを改めて検討し、最終的な入選者、準入選者を慎重に選び抜きました。
“上西さんらしい”魅力的な作品がチョイスされています。詳しい審査評と、気になる今回の入選作品は、2023年7月18日発売の『illustration』No.239をご覧ください。 審査結果は、以下のとおりです。
〈入選〉
●R62号(千葉県)●VVIN、小林ひな(東京都)●荒谷泰之心、米澤真子(神奈川県)●nemuro、松岡見諭(京都府)●kimuchoco(大阪府)●きむらと(奈良県)●沖野愛(愛媛県)
〈準入選〉
●SEIICHI、椿三四郎、三田圭介、yuko maegawa(東京都)●outsider(神奈川県)●MAMA(兵庫県)
〈最終選考まで残った方々〉 西本未祐(北海道)あかいあやこ、いそ、宇都宮なお、Dera、サイトウワオ、佐の奈津希、Joe KANNO、長谷川朗、moka、柳田まち、吉田雨水(東京都)IPOIPO、白村玲子、ピンクスキー(神奈川県)おおはしたくま(愛知県)ワキカホ(福岡県)