第230回ザ・チョイス 鈴木成一さんの審査レポート

グラフィックデザイナーの鈴木成一さんによる審査が、2024年2月7日に行われました。応募者は約240名、応募点数はおよそ1000点です。その審査の様子と結果をレポートします。

直木賞を受賞した『私の男』(桜庭一樹 著/文藝春秋)やベストセラーとなったミステリー『白夜行』(東野圭吾 著/集英社)、『金持ち父さん貧乏父さん』(ロバート キヨサキ+シャロン・レクター 著 白根美保子 訳/筑摩書房)など、誰もが目にしたことのある印象的な装丁を、これまでに数多く手がけてきた鈴木成一さん。

鈴木さんがザ・チョイスの審査員を務めるのは、1998年以来26年ぶり2度目です。今回の審査はいつも以上に注目度が高く、幅広い世代、全国各地からたくさんの応募作品が届きました。

到着後、間もなくスタートした1次審査では、目の前に並べられた作品をすべて確認し「残す」「残さない」を判断していきます。真剣な眼差しでスピーディーにジャッジを進める鈴木さんですが、「何を使って描いているんだろう」「面白いね」と思わずコメントする場面も。時折口を衝くそれらの言葉からは、鈴木さんが1つ1つのイラストレーションと楽しみながら向き合っている様子が窺えました。いくつかの作品は、裏面に記載された作品タイトルや使用画材も確認。この段階で候補者は一気に4分の1まで絞られます。

勢いそのままに始まった2次審査。先ほどと同じフローでの選考ですが、1次でかなり数が減ったこともあり、ここで候補から外れたのは4分の1程度。残った33名が「最終選考」へと駒を進めました。

最後に机の上にすべての作品を並べ、見比べながら選考していきます。机の前の行きつ戻りつしながら少し考えこむ時間もありましたが、じっくりと1つずつ候補から除外し、まずは賞に入る16名を決定。続いて、その中から慎重に準入選6名をチョイス。最終的に残った10名が入選に決まりました。

鈴木成一さんによる、イラストレーションへの深い造詣と愛を感じた今回のザ・チョイス。その詳しい審査評と、気になる入選作品は、2024年4月18日発売の『illustration』No.242に掲載されます。 審査結果は、以下のとおりです。

 

〈入選〉
●弥生ひかる(埼玉県)●宇都宮なお、田渕正敏、月井菜生、辻本大樹、八幡瑛子、吉田雨水(東京都)●Swtiih green(神奈川県)●夜中つか(愛知県)●ネネカイジュウ(大阪府)

〈準入選〉
●大野博美、タカヤママキコ、藤本巧(東京都)●高寄尚子(神奈川県)●名前ナツ(香川県)●佐伯翼(鹿児島県)

〈最終選考まで残った方々〉タムラヨウイチ(北海道)ミッキーオーソラン(栃木県)近藤みか、CHIZURI、藤田ユウスケ(埼玉県)アサイヒナタ、utanakamura、大島弓枝、OCO、せいのみわお、田辺俊輔、八多沙織、フミコ、Fuming’(東京都)三宅崇之(愛知県)辻本そう(大阪府)Ren(宮崎県)